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俺は、最上さんと過ごす時間が好きだった。


DVD観た後に感想を言い合う時間。
芝居の役柄について語る時間。
温かで美味しい彼女との食事の時間。
もちろん、彼女に翻弄される情交の時間も。


最上さんと過ごす時間は、とても心地良い。
全てを夢心地にさせてくれる時間を纏う最上さんを、俺は本当に可愛いと思っていた。




呑気な俺はこの時まだ、俺の間違いに気付いていなかったんだ。




色事の時の最上さんの控えめな声は、いつも俺を酔わせる。
その身体は俺を誘惑し、俺はいつも余裕なく打ちつけるばかりだ。
もっと気持ち良くしてあげたいと思っているのに、いつの間にか俺の方が楽園へと連れていかれる。

最上さんと、天国の様な悦楽を一緒に分かち合いたい。


何度交わっても、もっと…もっと…!と湧き上がる欲情。

まるで麻薬のようだ、と思った。




情事の後は、いつもベッドでもつれあう様に気怠い時間を過ごした。

その日も、いつものように。

キスを何度もしながら、指を絡ませ…
お互いの息が掛かる程の距離で会話をする。

「敦賀さん…」

「ん…なに?」

彼女は絡ませた指に力を少し入れ、ギュッと握る。

「敦賀さんは、やり直したいと思った事…有ります?」

俺はふと、アメリカにいた頃を思い出した。
やり直したところで、違う人生が歩めるとは…思えない。

「……どうかな…。」

「私は……有りますよ。」

彼女は俺の方は見ずに小さく言った。






その日を最後に、最上さんはいなくなった。



いや、会えなくなった…というのか。



毎日とは言わないが頻繁に会っていた彼女が、パッタリと来なくなった。
ケータイに電話しても無機質な女性の声で「お掛けになった番号は現在使われておりません」というばかり。
もちろんメールを送っても宛先不明で返って来てしまう。
偶然でもたまに会っていた事務所やテレビ局でも、会う事は一度として無かった。


そんな事態になって、俺は初めて知った。

あんなに一緒にいたのに…
俺は最上さんの事をあまり知らない。
住んでいる家さえ知らないんだと。



今まで職場でたまには会えていたんだ。
それが無くなったという事は……

つまり最上さんが俺を避けているという事。
会いたくないと思っているという事だ。





俺は彼女に嫌われてしまったのだろうか。



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2013.03.05 Tue l Redo (続開) l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

是非とも
キョコちゃんの心境が知りたいので、キョコちゃんの回を読みたいです。なぜ、蓮様の前から 携帯まで繋がらなくしてしまったのか、心情を語って欲しいです。
2013.03.05 Tue l 美音. URL l 編集
Re: 是非とも
美音様
コメント、ありがとうございます♪
ご期待に沿うべく、キョーコ編と敦賀さん編を今日書き上げたんですが…
なんとなく流れが敦賀さんが先の方がしっくりくる感じになってしまったので、敦賀さんを先にUPしようかな…と思います。
せっかくコメント頂いたのに…本当にすみません<(_ _)>
でも、せっかくコメント頂いたので、明日は2話ともUPしますね!
2013.03.05 Tue l KAZETORI. URL l 編集

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