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redo(続開)1 / 2 / 3(限定) / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11(限定)




「キョーコ!」

テレビ局の廊下を歩く私の後ろから、出来れば二度と聞きたくなかった声が響いた。
どんどんと近付いて来る足音。

ひとつ溜め息が溢れる。

足を停め後ろに振り向けば、少し弾む息を携えて私の腕を掴んだショーちゃん。

「何よ、私はあなたと話す事は無いわ。
この手、放して」

努めて冷静に言葉を放つ。

「な!…お前!ケータイ通じねえよ!
キョーコのくせに、勝手にケータイ換えんなよ」

「もう私とあんたの縁は切れたの。
あんたが切ったんでしょ?
もう声掛けないでよ」

あの日のあの言葉
あんな事があったのに、コイツと会っても思ったよりも冷静でいられた事に私は少しホッとした。

「あの後、おふくろから連絡があってお前の母親の事…聞いたんだ。
……悪かったと思ってる。
あんな日に…あんな事、言っちまって」

苦々しい顔で、ショーちゃんにしては珍しく、謝るという行為。
流石のコイツにも、良心というものはあったようで。

でも、私にとってこの謝罪はもう…どうでもいい事。
今更、何故あの日だったのかとも思わないし、言わないで貰いたかったとももう思わない。

「もう…どうでもいい話だわ。
本当にもう終わった話だし、何とも思ってない」


私には今、私を必要だと言ってくれる人がいる。


「話がそれだけならもう行くわね。
もうどっかで会っても気軽に話し掛けないでね」

ニコリと笑顔で、くるりと方向を変え歩き出す。
するとまた、腕を掴まれる。

「待てよ。
まだ話は終わってねえ」

「イタ!腕…痛い。離してよ」

「お前…また、戻って来ないか?」

はあ?
全く面白くも何ともない。
どうせ冗談言うなら、もっと面白みのある事を言って欲しいものだわ。

「意味わかんない事言ってないで、この手離して」

だがショータローのくせに、いつもの人を小馬鹿にした顔では無く真顔で尚も言う。

「意地はってないで、俺のところに戻って来いよ」

「………。
ショーちゃん、私ね……
今、すごく幸せなの」

「?」

怪訝そうな顔をし、私を見るショーちゃん。

「今まで生きてきた中で、今が一番幸せ!
私には今、何よりも大切な人がいるの。その人からも、とても大切にして貰ってる」

驚きを隠せない様で、見開く。

そういえば…あの日
敦賀さんとの関係のキッカケを作ってくれたのは、コイツだ。
母の事だけではあんな感情にはならなかっただろうし、「地味で色気も無い」って言葉が無ければあんな痴女の様に敦賀さんに迫ったりなどしなかっただろう。

ショーちゃんは言葉が出ないのか、目を白黒させている。

コイツからしたら青天の霹靂なのだろう。
それはそうだ。つい数ヶ月前まで十数年間、私は自他ともに認める程ショーちゃんしか見ていなかったのだから。

そんな日々も、あの日のあの言葉も、今となっては良いキッカケだったんだ。

「だから、ショーちゃんが気にする事はもう無いし、私達は赤の他人。

『さよなら』だよ、ショーちゃん」

言葉が出ないショーちゃんに別れを言い、踵を返して歩き出した。


会いたくないと思っていたのに、今はむしろ清々しい気分だ。

仕事が終わったら彼のマンションへ行こう。
腕によりをかけて晩ご飯を作り、今の気持ちを話したい。



この、彼への想いと感謝を込めて……



**********



redo (続開)のおまけでした。
ショータローからの電話の内容とかのリクエストを頂きまして。
遅くなりましたが、UPさせて頂きました。

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2013.04.03 Wed l Redo (続開) l コメント (2) トラックバック (0) l top
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2013.03.11 Mon l Redo (続開) l top



『恋しい』という気持ちなんて…嫌い。

いつでも、私の叶わない想いを浮き彫りにする。




敦賀さんから逃げて、2ヶ月が過ぎていた。

敦賀さんのマンションの、彼の部屋番号を押す私の手は震えている。

インターフォンに出た彼はまず、何て言うかしら…とか
どちら様なんて言われたらどうしよう…とか

ぐるぐるといろんな事を考えると、足がすくむ。

……スケジュール的には部屋にいるはずと思って来たけど…留守?
まさか、私の姿を見てスルーされたんじゃ……。

更に続く沈黙に

今日は帰ろう…

と思ったその時、中へ続くドアが開いた。

現れたのは、世の女性を虜にする美貌の人。

「え?敦賀さん?」

そう言った直後に、私は彼のいい匂いに包まれた。


あぁ……だから来ちゃダメなんだ……。

彼との触れ合いは甘美で…
そして苦しめる。
まるで毒のようだと思った。

彼の腕に包まれて嬉しいと思う気持ちと、やめて欲しいと思う気持ち。
せめぎ合う気持ちは、膨らむばかり。

「ここじゃあれだし…部屋に行こう。」

彼が私の手をとり、部屋へ促がす。
でも、私は首を横に振り拒否を表す。


今日は敦賀さんに「好き」だと言って、お別れしに来た。

すっぱりフラれて、この関係を終わりにして…
また以前の様な事務所の先輩と後輩に戻ろうと思う。
いや、たとえ戻れなくても、どん底にいた私が今こうしていられるのは彼のお陰。
感謝しかない。
もう、これだけで充分だ。

「今日は遅いですし、少しだけ外で話しませ

言い終わる前に掴まれていた手の手首をとられ、強引に引っ張られる。

「きゃっ!敦賀さん!」

玄関に入ると急に体を抱き寄せられ、唇を奪われた。

抵抗したが、腰にまわされた腕と大きな手が頭の後ろを押さえていてびくともしない。

次第に深くなる口づけに、私は心が震えた。
嬉しくて、哀しくて。

リビングのソファに座らされれば「最上さん、来てくれて嬉しいよ。」と言い、神々しい笑顔を向ける彼。

「突然連絡もつかないし、会う事も出来ないから、どうしたのかと思ったよ。
元気そうで良かった。」

「……すみません…。」

するとギュッとまた、抱き締められた。

そしてとどめの一言を放つ。

「……会いたかったよ、最上さん。」



あぁ……やはり毒だ。

逃れられない…

永遠とも感じられる口づけに
魔性の様なその笑顔に
陶酔させるその言葉に
私は何度でも、また惑わされ囚われててしまうんだ。


もう…この人の誘惑には抗えない。

彼が望むなら、私の心が知れて去られる迄…
私もひとときの夢をみよう。


私は敦賀さんの大きな背中に腕をまわし「これからも、後輩として側にいてもいいですか?」と問うた。

きっと優しい彼は「YES」と言うだろう。

でも、返ってきた答えは違った。

「ごめん、最上さん。
もう、後輩なんて戻れない。」


ああ…なんだ……
そっか……そうなんだ。
ちゃんと明言されたんだ。

『お前はセフレだ』って。

やっと腑に落ちた。


そう思った時、私に纏わりつく腕の力が強まり……耳元で囁かれた。

「俺は…最上さんが好きだよ。」



**********



すみません、話は全く進んでませんね…。
次回がラストです。
濃くはないのですが、限定になりそうです。

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2013.03.08 Fri l Redo (続開) l コメント (4) トラックバック (0) l top



いつもは仕事が終わり部屋に着くとシャワーを浴びて、強めのアルコールを喉に流し混んで眠るが
その日はシャワーを浴びてもそんな気にはならず、ソファで台本に目を通しながら彼女の事を考えていた。


最上さん…


最上さんに会えなくなって2ヶ月が過ぎていた。


ソファに寝転がり、腕で目を覆い…
暗闇の中にいる最上さんを見ていた。

すると急にインターフォンが鳴った。

せっかく最上さんが笑い掛けてくれていたのに…!

時計を見れば、午前0時を過ぎている。

俺はのそりと体を起こすと、ゆっくりとモニターに目をやった。


その瞬間、息が止まった。


モニターに映っていたのは、今まさに笑い掛けてくれていた彼女だ。

それをみるや否や、部屋を飛び出した。

エレベーターが降りる時間ももどかしい。

早く!最上さんが逃げてしまう前に!

ガラス張りの重そうな自動ドアが開き、焦がれた彼女の姿を見つけた。

「え?敦賀さん?」

俺を見て驚いた顔をしている。

ここが何処かかも忘れて、彼女を俺の腕の中に閉じ込めた。

会いに来てくれた。

彼女の顔を見ると、困った顔をしている。

「ここじゃあれだし…部屋に行こう。」

俺は彼女の手を引いて行こうとすると、すぐ手に抵抗を感じた。
最上さんの方を向くと、笑顔で首を横に振っている。


嫌な予感がする。


「……最上さん?」

「今日は遅いですし、少しだけ外で話しませ

彼女の言葉が終わる前に掴んでいた手の手首をとり、強引に連れて行く。

「きゃっ!敦賀さん!」

俺は無言で部屋に最上さんを入れると、まだ玄関だというのに彼女の唇を奪った。

逃れようとする最上さんの後頭部を掴み、もう片方の腕で彼女の腰をロックする。

彼女の唇は甘く、心が震えた。
嬉しくて。
その抵抗が、哀しくて。

何度も角度を変え、口づけを次第に深くしていけば
同じ様に、次第に抵抗の力が弱くなっていった。


名残惜しいと思いつつ、唇を離すと彼女は途端に荒い呼吸を繰り返した。


その手を取り、リビングのソファに座らせる。

「最上さん、来てくれて嬉しいよ。」

ニコリとする俺とはうらはらに、最上さんの顔に笑みは無い。

「突然連絡もつかないし、会う事も出来ないから、どうしたのかと思ったよ。
元気そうで良かった。」

「……すみません…。」

彼女はポツリと言った。
彼女の隣りに座り、腕の中に閉じ込める。

「……会いたかったよ、最上さん。」


何も言わない彼女。
抵抗が無い事をいいことに、沈黙と共に抱き締め続ける。

すると、ゆるゆると最上さんの腕が俺の背中にまわされた。

「これからも、後輩として側にいてもいいですか?」



腕の中の最上さんは、小さい笑みで…

なんて残酷な事を俺に言うんだろう……。


…後輩……。
最上さんは、ただの後輩でいたいのか?
後輩としてでないと、側にはいてくれないのだろうか?

嫌だ。
もう、戻れない。

「ごめん、最上さん。
もう、後輩なんて戻れない。」


この先の言葉を言ったら、彼女は二度と俺の前に姿を見せてくれないだろうか?



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2013.03.07 Thu l Redo (続開) l コメント (6) トラックバック (0) l top


「敦賀さんが好きです。」

にこやかだった敦賀さんが、その言葉を聞いた途端に顔色が変わった。

「俺は君に対してそんな気持ちは無いよ。
そういう気持ち、迷惑だから…
……もう会うのも止そう。」

敦賀さんは嫌なものを見る様な目で私を見る。

「待って下さい、敦賀さん!」

去って行く背中。
私は追い掛けようとするが、追いつけない。

「待って!
待って下さい!敦賀さん!!」


自分の大きな叫び声で目が覚める。
天井に伸ばされた自分の手。


なるほどね!!
温厚紳士の敦賀さんにしてはズバッといい切れ味してるはずよ!!

全部私がここ最近ぐちゃぐちゃ一人で悩んでた事じゃない!

…良かった……

まだ 夢で……



敦賀さんと会わなくなってもうすぐ1ヶ月。


きっかけは些細な事だった。

ショーちゃんがケータイにかけて来たのだ。
番号でわかり電話は出なかったから、何の為だったのかは知らない。
声も聞きたくなかったから、それを期に番号も一新しようと、新規にしてケータイを替えた。


仕事関係者にもだいたい連絡し、あらかた皆に番号が変わった事を連絡し終えた。

最後に敦賀さんにメールしようとした時……

手が止まった。



敦賀さんにとって、私は何だろう?


…セフレ……じゃ…ないよね?
敦賀さんの所に行っても…しない時だってあるし。
……多分…違う…はず。

もちろん…恋人…でもない。

やっぱり…ただの先輩と後輩?


私は敦賀さんの事が好き。


でも、敦賀さんはそんなもの望んでいなかったら?


このままの関係を続けていたら、私……

きっと気持ちを隠し通せない。


そこで、このところ毎日の様に見る夢を思い出す。

あの夢の様に

その気は無いと…
迷惑だと…
もう会うの止そう…と言われたら…

私はどうすればいいのだろう。


もともと抱いて下さいとせがんだのは私の方。都合のいい女に、自分からなったのだ。

なんて馬鹿なことをしたんだろう。
後悔ばかりが押し寄せる。



……会いたい…

会いたくて会いたくて、たまらない。

でも怖い。

会うのが怖い。

母やショーちゃんの様に、きっと敦賀さんも去って行ってしまう。


そう考えたら、連絡出来ず避ける様に…

逃げた。


敦賀さんのスケジュールを可能な限り聞き、どうにか今まで逃げてきた。


今はまだ、この気持ちを隠し通す事も、不義理な後輩の私がどんな顔して会えばいいのかも…わからない。


そうして、毎夜毎夜…私は同じ夢を見る。



もし叶うなら…

あの夜に戻りたい

初めて敦賀さんに抱かれた…あの夜に戻って


やり直したい


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2013.03.06 Wed l Redo (続開) l コメント (2) トラックバック (0) l top
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