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【俺と私 5】




クスリと笑う最上さん。

「ヒズリさんと結婚なんて無理ですよ。
ヒズリさん、結婚には向いてないじゃないですか」

今までもフラれてばかりだったが、今回のは比では無いくらいの衝撃だ。

でも確かに今まで俺は『結婚』なんて考えた事も無いし、とてもじゃないが向いてるタイプだとは言い難い。

でも、やっと気付いた。

俺は最上さんが好きだ。

どうしても離したくない。
ずっと一緒にいて、互いに歳をとり、死が二人を分かつまで……いや、出来れば互いが天国の住人になった後までも……。

それには、是が非でも!最上さんと結婚したい。
それは、最上さんを俺だけのものにする唯一にして絶対の正当な手段だ。

「最上さん!
君しか考えられない……好きなんだ。
俺と結婚して欲しい」

俺は両手で彼女の柔らかい頬を包み、気持ちを込めて口付けをした。




**********




翌日、俺は会社で最上さんと交際している事を公言し


3日後、土日使って彼女と一緒に京都へ行き、彼女の実母と幼馴染みの家に挨拶を済ませる。


その一週間後には母国アメリカに彼女を連れて行き、俺の両親に紹介して


一カ月後、多少(?)強引に書面を書かせ印を共同作業(←)で押す。


三カ月後には、ハワイで挙式。


半年後、事情により彼女は会社を退職した。



**********



そして一年後



私は今、生きてきた中で1番の危機に直面中だ。

隣りには私より真剣な顔をした久遠・ヒズリさんが私の手をしっかりと握っている。

そして人生で1番の大きな出来事が起こった。

「おめでとうございます、ヒズリさん。
元気な男の子ですよ」

大きな産声をあげた生温かい小さな命が、私の胸にのせられた。

「ああ……キョーコ、お疲れ様。
俺の子を産んでくれてありがとう…!本当にありがとう…!!」

彼は涙ぐみながら、小さな子を包む私ごと抱いた。





**********




結局彼は私と結婚する為に、ビックリするくらいの早さで外堀を攻め、かなり強引に婚姻を成立させ、言葉巧みに既成事実を作り、あっという間に今この現状だ。


だけど……驚いたのは、彼の変わりよう。

毎日私に愛を囁き、
他の女性など本当に見向きもせず、
懸命に家族を守ろうと働いてくれる。
休日は家族と穏やかに過ごし、子供の面倒をよくみてくれる。
何よりも私と子供が大切なのだと毎日抱き締めてキスをするのが日課だ。
いわゆる、良き夫、良き父だと思う。

彼は「君の心はいずれ貰うから。これからは長期戦だ」と笑うのだ。


そんな彼に、私も少しづつ心を絆(ほだ)され
彼の隣りに座りながら、このまま彼と永遠に一緒にいられたらいいなあと思う。






**********





『俺と私』の物語、これで終了です。
今回は久遠×キョーコのパラレルという事で、本当に好き勝手させて頂きました。
お陰でとんでもない久遠さんが出来上がりましたが、やはり蓮さんの基本ですしこんな感じで締めちゃいました。
ここまでお付き合いありがとうございました(*^_^*)

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2013.04.23 Tue l 俺と私 l コメント (2) トラックバック (0) l top


このお話は、久遠×キョーコのパラレルです。
どんな久遠&キョーコでも引かないよ!と自信を持って言える方のみ……どうぞ。








【俺と彼女 4】



最上さんの部屋に通う様になって一年が過ぎた。


その日も最上さんの部屋のベッドで、彼女との甘く蕩けるようなひとときを過ごした後。
彼女は前触れも無く俺に言った。

「私、今度お見合いするんです」

耳を疑った。
彼女は結婚なんて興味が無いと、以前言っていたのに。

「お見合い?なんで!」

「母代わりの女将さんから勧められていた方と、今度お見合いする事になったんですよ」

ああ…なんだ。お義理ってやつか。
そう思い、先程驚いた拍子に落ちた使用済みの物を拾ってゴミ箱に捨てた。

「なので、もうここには来ないで下さい」

「え?何で?」

何でそんな話になるんだ。
言っている意味がわからず、単純な単語しか出て来ない。

「もし相手の方が良さそうな人で、先方さんも気に入って下さって、ご縁があれば、お話は進むでしょうから」

ニコニコと笑顔の彼女は話を続ける。

「そんな時に私の部屋に男の人が出入りしていては、相手の方にも紹介してくれた女将さんにも良くないので」

……………。
何がどうしてこんな話になったのだろうか。
未だ思考が追いつかないというのに、彼女は最後の爆弾をサラリと落とした。


「だから、今日が最後です」


頭に血が登るのがわかった。
大人になって、こんなに興奮した事なんて無かった。
だが、とても収まりそうもない。

「……行くな……」

俺は必死に荒くなりそうな言葉を抑え、低い声で言った。

「見合いなんて行く必要無いだろ…!」

落ち着こうと思い、大きく息を吸って吐いた。
彼女は驚き、ポカンとしている。

何でお見合いなんて行くんだ!
俺がいるのに!

…………………。

俺がいるのに?


自分の考えに、自分がビックリした。
今の言葉は、今まで散々自分が言われるのを避けて来た関係の様ではないか?

「……どうしたんですか?そんな事言って」

困惑しながら言う彼女。

「何で怒ってるんですか。
私達、そんな間柄じゃないですよね?」

そう。恋人なんかじゃない。

でも!

でも!!

最上さんが他の男と結婚するなんて冗談じゃない。
その前に、他の男とヤるのも、手を繋ぐのも、目を合わせるのだって許せない。

最上さんは俺とこのままずっと……
最上さんはずっと俺と一緒にいるんだ。

最上さんを他の男なんかにとられたく無い。
俺には最上さんさえいてくれればそれでいいんだ。


!!!

そうだ!そうだよ!!


合法的で、合理的で、ずっと一緒にいられる最適な方法があるじゃないか!



結婚すればいいんだ!!



俺の様子に完全に引いている最上さんの前に行き、彼女の手を握って厳かに心を込めて……。

「最上さん…
見合いなんかせず、俺とけっk「無理です」

………え?

最後までプロポーズの言葉を言わせて貰えないうちにバッサリ拒否、という予想外の展開に俺の動きがまた止まった。





**********




最初は3〜4話と言ったけど、収まりきりませんでした(^_^;)
なので、次が最終話になります。






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2013.04.22 Mon l 俺と私 l コメント (0) トラックバック (0) l top

このお話は、蓮ではなく久遠×キョーコのパラレルです。
しかも設定が、ショータローに捨てられた後芸能界には入らず、事務の仕事に就き大人になったキョーコと、大きな壁(偉大な父親と同じ職業)にぶつかる事なくただの会社員として大人になった久遠の物語です。
そんな訳で、キョーコも久遠も完全にイメージ通りではありません!
キョーコと久遠の名を借りた別人の様になってしまいました。

そんなお話でも大丈夫!と胸を張って言える方のみ、この先をどうぞ……。








【俺と彼女 3】




俺の名前は久遠・ヒズリ。

両親はハリウッド俳優とスーパーモデル兼女優。
両親がアメリカにいる中、普通の生活をしたかった俺は一人、父の母国・日本での生活を楽しんでいた。

適当に就いた仕事だが上司や同僚に恵まれ、成績も良い。
この容姿のお陰で女性に苦労した事もない。


そんな日々の中の出来事だった。


新人歓迎会の一次会が終わり、隣りにはびこる女の子達の香水に何だか胸焼けの様な不快感を催し、失礼の無い様にしながらこれで帰ろうとした時だった。

廊下に出ると、事務の最上さんが前をフラフラと歩いていた。

彼女とは一言二言話した事がある程度だが、仕事は至極真面目で、俺と他の社員と分け隔てなく接する態度に好感を持っていた。

フラフラ危なっかしい足取りに一つ息を吐いて、彼女の身体を支えながら声を掛けた。

「最上さん、大丈夫?」

顔を見ればもうあきらかに出来上がっている。
きっと上司にだいぶ飲まされたのだろう。
返事の無い彼女はバッグを持っている事から、自分の限界を感じ帰るところのようだ。

「ほら、掴まって」

半ば引き摺るように会場を後にして、タクシーに彼女を乗せる。

「最上さん、自分の家、教えないと送って貰えないよ?」

だがタクシーに乗せた彼女は目を閉じ、笑顔で支離滅裂な事を言うだけだ。
運転手も困っている。

大きく溜め息をつき、俺もタクシーに乗り込む。
何度もしつこく聞いて、なんとなく言った住所に向かって貰う。

こんな酩酊状態の女性を運転手に任せるのも可哀想だし、危ない。

ここだ ここだ と聞こえなくも無い言葉のいう通りにタクシーから降り、彼女を引き摺りながら部屋の前まで移動し、何とか鍵を開けて貰い、彼女を玄関の中に降ろした。

「帰るから、ちゃんと鍵!掛けてね」

完全な酔っ払いの彼女を見ると、顔は赤らみ、潤んだ瞳に、着衣は乱れ、捲れたスカートから白い脚が見える。
ニコニコと見上げる彼女に、俺の喉がゴクリと鳴った。


その後は………そう、ご想像通りの展開です。

送り狼なんて初めてした。
誘われた訳でもなく、酩酊状態の女の子を襲ったのも初めてだ。

まあ特に今、彼女がいる訳でもないし、彼女も本気で嫌がってなかったし……いっか。



俺は特定の彼女はつくらない。

二十代前半まではちゃんと付き合ったりしていたけど……何故か、すぐフラれた。
大切にしていると思うが、付き合ってももってせいぜい数ヶ月。長くて半年といったところか。
いくら俺でもフラれれば落ち込む。

そのうち気が付いた。
付き合わなければ良いのだと。

付き合ってなければフラれない。

気に入った子が声掛けて来たら、会いたい時に会って、ヤリたい時にヤって。
事前に相手にそう納得して貰えば楽しく過ごせるのだと。



翌朝目が覚めると、目の前の彼女はクスクスと笑っていた。
良かった、処女だった彼女に同意なく事に及んでしまったが、怒ったりしてないようだ。

そして更に安心したのが、彼女のその後の対応。
関係を持つ時、俺はいつも事前に「彼女はいらない」と言うが、最上さんには言ってない。
だけど彼女は「付き合いたい」とか「責任」とか「私達はどんな関係なのか」といった、煩わしい事など一切言わなかった。

その後何回関係を持ってもいつもドライで、彼女と過ごす時間が快適だと思うようになっていった。

最上さんが作るご飯はいつも美味しいし、一緒にいても好きな事が出来る。
言葉や態度といったものも、プレゼントの様な物も、俺の時間も、何も、欲しいと言われなかった。


彼女との関係は、まさに俺の理想だと思った。

そうなると、なかなか他の女性と関係したいと思えなくなる。
いつの間にか、俺は最上さんの部屋に定期的に通っていた。




**********



はい………皆様の非難が聞こえます。ヒドイ久遠さんになってます。
でも!なに不自由無い生活と偉大な父のあのくだりが無く育てば、そしてキョーコさんに会うのがこのくらい遅れたら…こんな久遠さんが出来上がるかなーなんて……思ったんですよ。
ああ……次回の久遠さん、UPしたくない……ゔゔ(泣)

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2013.04.20 Sat l 俺と私 l コメント (6) トラックバック (0) l top

このお話は、蓮ではなく久遠×キョーコのパラレルです。
しかも設定が、ショータローに捨てられた後芸能界には入らず、事務の仕事に就き大人になったキョーコと、大きな壁(偉大な父親と同じ職業)にぶつかる事なくただの会社員として大人になった久遠の物語です。
そんな訳で、キョーコも久遠も完全にイメージ通りではありません!
キョーコと久遠の名を借りた別人の様になってしまいました。

そんなお話でも大丈夫!と胸を張って言える方のみ、この先をどうぞ……。







【彼と私 2】



彼が定期的に私の部屋に訪れる様になって数ヶ月。
もちろん、特に付き合っている訳でもなく。
ただ、たまに来てご飯食べて、各々が好きな事をしたり(本を読んだり、テレビを観たり)していた。
まあ、必ず色事も付いて来ますが。


久遠・ヒズリさんは自分の魅力を知っている人だ。
と同時に、女性の扱いも手馴れている。
世の女性を魅了する外見に、優しい言葉。さりげない気遣いが出来て、何より女の身体というものをよく知っている。

今まで他の誰ともした事はないから比べようも無いが、それでも、彼はとても上手いのだと思う。
性的な事を蔑視していた訳では無いが、全く必要性が見出せなかった。そんな考えが改まる程の大きな快楽を毎回私に与えてくれる。

だからなのか、男性とはお近付きになりたくない私も、彼の訪問は頑なには断れないでいた。


ただ……彼はあくまで別世界の人。

私はもう二度と恋などという愚かしい事はしない。

彼とのこの関係も特に大きな意味を持たないし、私の中でも大きな位置には無い。

そして彼もまた、肉体関係はあってもそれ以上のものを欲しがるような事は無かった。


つまり、私達はそういう関係なのだ。



**********



そんな関係が、いつの間にか一年を過ぎた頃だった。


私は幼い頃から親ではなく、幼馴染みの家に預けられ育った。
幼馴染みがミュージシャンを目指し一緒にそこを出ても、女将さんはまるで本当の母親の様に今も度々私に連絡してくれる。

優しい女将さんは娘の様に思ってくれている私の将来が心配なのか、息子は諦めて私だけでも京都に帰って来て欲しいのか、25歳を過ぎたあたりからよくお見合い写真を送って来た。

結婚にも、男性にも、全く興味が無かった私はその全てを断って来たが……

このところ、その概念が覆されてきた。

もちろん、きっかけは彼である。


その頃になると、彼と過ごす空間はとても居心地がいいものだと感じていた。

どこに出掛けるでもなく部屋でお互いが好きな事をする。
私の作ったご飯を美味しいと言って食べる。
そして、淫猥な欲求に従って身体を重ねる。

幼馴染みとの時の様な横暴な生活ではなく、自然に、負担もなく、楽に。
私も他人と、思っていたよりも悪くない生活ができるのだと。

そんなふうに考えていたところで、さっきのお見合いの話に戻る。

私の手には一冊のお見合い写真。
開けば微笑む男性の顔写真と、相向かった隣りに全身が写った写真。
昔ながらの一冊だ。


私はおもむろにに電話を握った。
相手は、女将さん。

私は恋愛なんてしない。
結婚するなら、お見合いするのがちょうど良いのではないだろうか。

そして、やはり結婚するなら一緒に過ごして負担の無いほうがいい。
いちいち女性関係で揉めるのも避けたいから、女性に疎いくらいがいい。
平凡に過ごせる様に、仕事に真面目な人がいい。

どうせお見合いするなら、そんな人が良いのだと言うために。


そして、まさに今回のお見合い相手は理想的だと強く女将さんに勧められ、会う事を承諾した。



**********



ある日、私の前で事後処理をする彼に、今度お見合いをする事を言った。
ベッドに横になり、息を整えて、サラッと でもニコリと。

「お見合い?なんで!」

驚く彼。
処理したのもが手からポロリと落ちる。

「母代わりの女将さんから勧められていた方と、今度お見合いする事になったんですよ」

「ああ…そうなんだ」

冷静になってきた様で、落ちた物を拾いゴミ箱に捨てる彼。

「なので、もうここには来ないで下さい」

「え?何で?」

またもこちらを見て目を丸くする。

「もし相手の方が良さそうな人で、先方さんも気に入って下さって、ご縁があれば、お話は進むでしょうから」

ニコニコと笑顔で私は話を続ける。

「そんな時に私の部屋に男の人が出入りしていては、相手の方にも紹介してくれた女将さんにも良くないので」

動かない彼をよそに、私は横になったまま淡々と言った。

「だから、今日が最後です」





**********



次回からの久遠さん編、皆様ご注意下さいね!
絶対!見ない方がいいと思います。
桃じゃないけど……限定にしようかと思うくらいのシロモノですよ……。




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2013.04.19 Fri l 俺と私 l コメント (4) トラックバック (0) l top
このお話は、蓮ではなく久遠×キョーコのパラレルです。
しかも設定が、ショータローに捨てられた後芸能界には入らず、事務の仕事に就き大人になったキョーコと、大きな壁(偉大な父親と同じ職業)にぶつかる事なくただの会社員として大人になった久遠の物語です。
そんな訳で、キョーコも久遠も完全にイメージ通りではありません!
キョーコと久遠の名を借りた別人の様になってしまいました。

そんなお話でも大丈夫!と胸を張って言える方のみ、この先をどうぞ……。













【彼と私 1】


私、最上キョーコ 27歳。

自分で言うのもなんですが
私はこれといって可もなく不可もない、いわゆる平凡な女です。

もともと家庭環境が良くなかったから結婚願望も皆無だし。
唯一ずっと好きだった幼馴染みに、完全に家政婦扱いされた挙句に軽くポイされたのが数年前。

正直、家庭なんてものに興味は無いし、オトコはこりごりです。

私は一人でも強く逞しく生きて行く事を心に決めて、男の人とはあまり関わらず、仕事に勤しみ堅実に生きてきました。


なのに………

何故、隣りにはこの人が寝ているのでしょうか?



ここは私の部屋。
私は全裸でベッドの上にいる。
隣りには金髪のサラ髪から覗く美しいく整ったお顔と、逞しい上半身を惜しげも無く晒す男。


ああ……。
よくある、起きたら美形が隣りで寝てたってヤツだ。

本当にこんな事ってあるんだなーなんて、こんな状況なのに私は割りと冷静だ。
男の人はこりごりだと敬遠していた私は未だに処女だけど、流石に十代の頃の様に「破廉恥だー!」なんて叫ぶ歳ではなくなったのだと実感した。

ん?

この状況的に、もう私は処女では無いのか?

そういえば…何だか痛みが……。


また隣りを見る。

私はこの人を知っている。
営業部のヒズリさんだ。
久遠・ヒズリさんはクォーターらしいと同僚が騒いでいたのを聞いた事がある。
金髪碧眼に整った顔立ち。おまけに仕事も出来て、フェミニストとくれば騒がれない訳がない。
仕事の関係上一言二言喋った事ある程度で、まあ一言でいえば私とは『別世界』の人。


そしてまた、思考は何故ここにこの人がいるのか?に戻った。

昨日は会社の新人歓迎会で、上司にだいぶ飲まされたから…

『酔った勢いで』ってやつですかね……。

本当…お約束の展開。

私は少し可笑しくなって、クスクス笑った。

すると隣りの男が起きたようだ。

「ん…おはよう、最上さん。
なんだか楽しそうだね」

「おはようございます」

「身体は…辛くない?」

「ああ、はい。大丈夫です。
すみませんが、これから用があるので早めに帰って頂けると助かります」

本当は用など無い。
どうせ今回限りでもう関わらないのだから、酷い言い方だと思ったが早々に帰って貰いたかった。

「ああ、ごめんね」

にこやかに 爽やかに言う彼は、金髪が揺れ眩しいほどだ。
ベッドの下に散乱した自分達の服をお互い拾い集め、そそくさと着る。
そして用意が出来ると玄関へ。

「昨日は良かったよ。
じゃあ、またね」

私は営業スマイルで送り出した。

……またなど無いのだから、社交辞令なんていらないのに。
そう思いながらシャワーを浴びるべく、浴室に向かった。



**********



それから数日。
その事など無かった事として、いつもの日常を過ごしていた。



会社でたまたま会ったヒズリさんに、こっそり「今日部屋に行きたい」旨のメモを渡された。


そして……
気付けばまた、今日も部屋に来た彼。
今日は酔っていないが、やっぱりそういう流れを作られ
抵抗する事もままならず、また次の日の朝を迎えた。



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2013.04.18 Thu l 俺と私 l コメント (2) トラックバック (0) l top
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