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魔人様のリク罠『告白〜後編〜』ですが、2パターン考えてどちらにするか決まらなかったので……
この際、2つともUPしちゃう事にしました!

さて……皆様はどちらがお好みですか?





【告白】〜後編B〜





俺はヘタレを払拭すべく、彼女にこの想いを告げる為、彼女を部屋に招待した。

最上さんからしてみたら、今日もいつもの食事の世話のつもりだろうが。

今日、俺達の関係が……良くも悪くも、変わる。



キッチンでトントンとリズミカルな音を奏でながら、最上さんはいつものように食事の用意をしてくれている。

その様子をこっそりと見ながら、食事が終わったら…言おう!と心に決めた。


野菜が多めに使われたとても美味しい夕食を食べ、食後のコーヒーを渡す。

さあ!切り出せ!!

頑張れ、俺!

「最上さん!」

予定よりもだいぶ切羽詰まったような呼び方になってしまった…。
ソファに座りコーヒーを啜っていた彼女が少しビックリしてこちらを向く。

「ど…どうされたんですか?敦賀さん」

「……………」

何の話もしていないのに、こんな雰囲気で告白しても、想いを信じて貰えないかも?

「……いや。
コーヒー、おかわりは?」

「い…いえ、まだいっぱいありますし、大丈夫です」

飲み始めたばかりなのに、なぜおかわりをきくのか?と書いてある最上さんの顔を見ながら、ひとつ息を吐いた。

酒でも飲んだ方が良かったか?
いや、彼女を送れなくなってしまうか。

いつもはささやかな雑談の時間だが、告白のタイミングばかりが気になりなかなか話が弾まない。

そうこうしてる間にいつもの彼女を送る時間になってしまった。

「そろそろお時間ですね」

帰り支度をする最上さん。
その手をとり、握った。

「最上さん……」

「どうしました?敦賀さん」

俺を見上げる彼女の瞳に狼狽える。
言葉よりも先に手が出そうな欲望が頭をもたげる。
ダメだ!抑えろ、俺!

「……送って行くよ」

俺はキーを片手に玄関へと歩いて行った。

危ない…手順も踏まずに彼女に触れたら、俺という存在は瞬殺だ。


助手席に座る最上さんにどう切り出そうか思案していると、ちょうどこの先に少し大きめの公園があるのを思い出した。

「最上さん、そこの公園に寄ってもいい?」

「え?はい。
かまいませんよ?」

公園に入ると歩道の脇に咲くツツジの花が満開だ。

「綺麗ですね!敦賀さん」

白やピンクの花の道を歩きながら、最上さんはニコニコと上機嫌だ。

俺はベンチへと促し、並んで座る。

さあ!今が言う時だ!
雰囲気も申し分なく、準備は万端だ。

「最上さん……」

「……どうされたんですか?
なんだか今日は敦賀さん、おかしいですよ?」

首を傾げる彼女の方に身体を向ける。

「………ツツジ、満開で…綺麗だね……」

………おい、俺の口。
なんで考えている事と口から出る言葉が違うんだ。

「本当に綺麗ですよね」

周りを見ながら答える彼女。
そんな横顔に、急に大人の女性な雰囲気を感じて…ドキッとした。

そして、華奢な彼女の身体を腕の中に捕まえる。

「……つ…敦賀さん?」

女性らしい柔らかな感触に、俺の時間が止まる。

どのくらいの時間か、沈黙が2人を包む。

俺は覚悟を決め、ゆっくりと彼女の身体を離した。

目と目が合う。

「最上さん……俺「敦賀さん!」

「……はい」

俺の告白……言わせて下さい……。

「私……敦賀さんの事が好きです!」

「…………え?」

「ずっと言わないでいようと思ったんですけど……
なんか急に言いたくなっちゃいました」

恥ずかしそうに赤い顔して笑う彼女。


……………………。

急に言いたくなっちゃいました………?

俺はこんなに覚悟とタイミングに必死なのに……?

最上さんの告白の内容の重大さは頭から抜け落ち、俺はこの敗北感に焦った。

「あの……返事はいらないです。
ただ伝えたか「最上さん!」

「え?……はい」

「君のさっきの言葉は無かった事にして、やり直しさせて欲しい!」

「………無かった事。
だから…返事はいらないと……」

「最上さん、俺は君の事が好きだ」

「………は?」

「どうか、俺の彼女になって?
君の側にいる権利が欲しいんだ」

言えた!やっと……やっと言えた!!


ん?ちょっと待て。
何か重要な事を忘れていないか?

さっきの最上さんの言葉……。


………………!!


「最上さん!さっきの言葉は本当?」

「え?いや……」

「オトコとしての好き?」

「はあ…まあ…」

俺は思いきり彼女を抱き締めた。

「きゃっ!」

「最上さん、好きだよ。
返事を……頂戴?」

彼女は俺の腕の中で顔を真っ赤にしながら俺から視線をそらし、小さな小さな声で言った。

「私も…敦賀さんが好きです」





**********



という、2つの後編をUPさせて頂きました。
この『告白 〜後編B〜』は、まさかの先に告白されちゃうパターンでした。

魔人様、楽しいネタをありがとうございました(*^_^*)


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2013.04.26 Fri l リク罠 l コメント (8) トラックバック (0) l top

魔人様のリク罠『告白〜後編〜』ですが、2パターン考えてどちらにするか決まらなかったので……
この際、2つともUPしちゃう事にしました!

さて……皆様はどちらがお好みですか?






【告白】〜後編A〜




「君が好きだ」

俺は最上さんの目を見ながら、ずっと言いたかった一言を告げた。

驚きながらも赤い顔をする彼女。

その唇が開き、何かを言いかけたその時………



俺は現実世界に帰って来た。

………朝か………。


今日はずっと片想い中の最上さんに、その想いを伝える日。


俺はヘタレを払拭すべく、彼女を部屋に招待した。

最上さんからしてみたら、今日もいつもの食事の世話のつもりだろうが。

今日、俺達の関係が……良くも悪くも、変わる。



キッチンでトントンとリズミカルな音を奏でながら、最上さんはいつものように食事の用意をしてくれている。

その様子をこっそりと見ながら、食事が終わったら…言おう!と心に決めた。


野菜が多めに使われたとても美味しい夕食を食べ、食後のコーヒーを渡す。

さあ!切り出せ!!

頑張れ、俺!

「最上さん!」

予定よりもだいぶ切羽詰まったような呼び方になってしまった…。
ソファに座りコーヒーを啜っていた彼女が少しビックリしてこちらを向く。

「ど…どうされたんですか?敦賀さん」

「……………」

何の話もしていないのに、こんな雰囲気で告白しても、想いを信じて貰えないかも?

「……いや。
コーヒー、おかわりは?」

「い…いえ、まだいっぱいありますし、大丈夫です」

飲み始めたばかりなのに、なぜおかわりをきくのか?と書いてある最上さんの顔を見ながら、ひとつ息を吐いた。

酒でも飲んだ方が良かったか?
いや、彼女を送れなくなってしまうか。

いつもはささやかな雑談の時間だが、告白のタイミングばかりが気になりなかなか話が弾まない。

そうこうしてる間にいつもの彼女を送る時間になってしまった。

「そろそろお時間ですね」

帰り支度をする最上さん。
その手をとり、握った。

「最上さん……」

「どうしました?敦賀さん」

俺を見上げる彼女の瞳に狼狽える。
言葉よりも先に手が出そうな欲望が頭をもたげる。
ダメだ!抑えろ、俺!

「……送って行くよ」

俺はキーを片手に玄関へと歩いて行った。

危ない…手順も踏まずに彼女に触れたら、俺という存在は瞬殺だ。

助手席に座る最上さんに、今言おうか…と思案しているうちに、無情にも彼女の家の前まで着いてしまった。

「ありがとうございました」

と言って、ノブに手を掛けたところで、俺はもう片方の腕を掴む。

「待って、最上さん」

「?
どうされました?」

さあ!今がラストチャンスだ。
ここで言わなければ男が廃(すた)る。

「今日はなんだかおかしいですよ?
お疲れですか?
調子が悪いんですか?」

そう言って、彼女はスッと俺の額に手をあてた。

「熱は無いようですが……」

彼女の温もりが俺の心を溶かしていく。

「じゃあ、今日はもう早く帰って休んで下さい」

その言葉が言い終わると同時に車から降りて

「今日も送って頂いてありがとうございました。
気を付けて帰って下さいね」

と一礼し一歩離れた。

待って!

彼女を追い掛けようとドアを開けようとした時、後方から人が歩いて来るのがわかった。

………………。

こんなところを誰かに見られたら、いいネタにされてしまう。

「今日は食事ありがとう。
じゃあ、また」

そう言って、車を発進させた。



ああ……俺は結局今日も、彼女に告白する事が出来なかった。


こんなヘタレな俺に応援や激励のお便り、待ってます。



そして『告白〜前編〜』の冒頭に戻る。





**********



という事で、『告白 〜後編A〜』はヘタレのエンドレスパターンでした(^_^;)


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2013.04.26 Fri l リク罠 l コメント (0) トラックバック (0) l top
恐れ多くも魔人様のリク罠にドボンです。
出来る限り魔人様のプロローグに近い感じにしてみましたが、どうでしょうか…?
では、ヘタレの中のヘタ蓮様をどうぞ!





【告白】〜前編〜






明日、俺はいよいよ、彼女に告白する。

この決心がつくまでの、長かったこの年月を思い返すだけで、凹む自信はある。

どれだけヘタレてたんだと、過去の俺に文句を言いたくなるのも、当然だ。



最大のチャンスは、2年前。

あの幸せだったセツカな彼女との同居生活のときにあった筈だ。

どうして、あの時に告白しなかった!

あんな…天然記念物乙女と
毎日のように同じ部屋で過ごし、役も俺にベッタベタな設定。

あんなに激しいスキンシップができているうちに!

あれが二人の距離だと勘違いした大バカものめ!

そう、過去の俺に言いたい。



そして、最上さんが単発ドラマでキスシーンがあった時もそうだ!

演技練習と称して彼女と初めてキスをした。

柔らかな彼女の唇を堪能したあの時、なぜ俺は彼女に気持ちを伝えなかったのか!

……そうだ、あの時は自分の理性との戦いが壮絶で、それどころではなかったんだ…。
そのままの勢いで彼女をどうにかしてしまいたい衝動を追いやる為に、頭の中で羊の数を数えていたんだ。



あとは、ドラマで共演した時もそうだ!

せっかく彼女と恋人の役で良い雰囲気だったのに。
潤む瞳で見つめられ、俺の腕の中でおとなしく抱かれる彼女に眩暈がした。

撮影中はもちろんそれ以外の時間も、役と同じような甘い雰囲気に……嬉しさが先立ち、頭の中が春仕様で告白なんて考えもしなかった。

どうして、あの時に告白しなかったんだ!



ルージュのCMの共演の時も、機会はあった!

彼女の小悪魔のような誘惑と魅惑的な唇。
その撮影の合間に、見せる無邪気な笑顔に…
撮影スタッフへの威嚇にせいを出していた俺は、告白の雰囲気に持ち込む事もできなかった。



もちろん、彼女が俺の食生活を心配して部屋に食事を作りに来てくれた時だって。

何度もチャンスはあったじゃないか!

たとえそれがラブミー部の依頼だろうと、2人きりの密室で、そこは俺のテリトリーで。
俺の為に作ってくれた美味しいご飯を2人で食べて、楽しく会話をする。

そんな空間に満足してしまい、なぜ今まで告白しなかった!



彼女の誕生日も毎年1番にお祝いをしているじゃないか!
絶好のチャンスではないか。

彼女に渡すプレゼントは何がいいだろうか?と、いかにプレゼントをスマートに受け取って貰うかばかりに気を取られ…
告白する事自体、頭になかった。

彼女の誕生日は、告白出来る最大で最良の日なのに…
告白自体を忘れてどうする!



V.Dだって…
彼女から貰えるものは、その他大勢のチョコといつも違う。
多分…俺だけ、特別製だっただろう!

そんな絶好日に…いや!たとえV.D当日ができなくとも、W.Dがあったんだ!

W.D、それはチョコをくれた想い人に堂々と告白出来る日のはず。

プレゼントと共に感謝とお礼は言っても、肝心の想いを言わないでだうするんだ…俺!




ああ………どんなけヘタレてるんだ、俺は。

思い起こせば、チャンスはいつもそこにあったのに……。


雪の日に滑ると危ないからと、手を繋いで歩いた日も

夜景の綺麗な所があるからと言い連れ出した夜も

琴南さんの仕事が忙しく、最近会えてないと落ち込む彼女を慰める為に連れて行った食事の時も

役作りに躓いた彼女と、演技について話し合った時も

妖精コーンの事を考えて涙する度に彼女を抱き締めた時も


本当に挙げればきりがない程のチャンスがあったんだ。



だが!まだ遅くはない。

そんなヘタれた俺と決別し、明日俺は最上さんに告白する!





そして後編の告白編に続きます。
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2013.04.25 Thu l リク罠 l コメント (6) トラックバック (0) l top

【俺と私 5】




クスリと笑う最上さん。

「ヒズリさんと結婚なんて無理ですよ。
ヒズリさん、結婚には向いてないじゃないですか」

今までもフラれてばかりだったが、今回のは比では無いくらいの衝撃だ。

でも確かに今まで俺は『結婚』なんて考えた事も無いし、とてもじゃないが向いてるタイプだとは言い難い。

でも、やっと気付いた。

俺は最上さんが好きだ。

どうしても離したくない。
ずっと一緒にいて、互いに歳をとり、死が二人を分かつまで……いや、出来れば互いが天国の住人になった後までも……。

それには、是が非でも!最上さんと結婚したい。
それは、最上さんを俺だけのものにする唯一にして絶対の正当な手段だ。

「最上さん!
君しか考えられない……好きなんだ。
俺と結婚して欲しい」

俺は両手で彼女の柔らかい頬を包み、気持ちを込めて口付けをした。




**********




翌日、俺は会社で最上さんと交際している事を公言し


3日後、土日使って彼女と一緒に京都へ行き、彼女の実母と幼馴染みの家に挨拶を済ませる。


その一週間後には母国アメリカに彼女を連れて行き、俺の両親に紹介して


一カ月後、多少(?)強引に書面を書かせ印を共同作業(←)で押す。


三カ月後には、ハワイで挙式。


半年後、事情により彼女は会社を退職した。



**********



そして一年後



私は今、生きてきた中で1番の危機に直面中だ。

隣りには私より真剣な顔をした久遠・ヒズリさんが私の手をしっかりと握っている。

そして人生で1番の大きな出来事が起こった。

「おめでとうございます、ヒズリさん。
元気な男の子ですよ」

大きな産声をあげた生温かい小さな命が、私の胸にのせられた。

「ああ……キョーコ、お疲れ様。
俺の子を産んでくれてありがとう…!本当にありがとう…!!」

彼は涙ぐみながら、小さな子を包む私ごと抱いた。





**********




結局彼は私と結婚する為に、ビックリするくらいの早さで外堀を攻め、かなり強引に婚姻を成立させ、言葉巧みに既成事実を作り、あっという間に今この現状だ。


だけど……驚いたのは、彼の変わりよう。

毎日私に愛を囁き、
他の女性など本当に見向きもせず、
懸命に家族を守ろうと働いてくれる。
休日は家族と穏やかに過ごし、子供の面倒をよくみてくれる。
何よりも私と子供が大切なのだと毎日抱き締めてキスをするのが日課だ。
いわゆる、良き夫、良き父だと思う。

彼は「君の心はいずれ貰うから。これからは長期戦だ」と笑うのだ。


そんな彼に、私も少しづつ心を絆(ほだ)され
彼の隣りに座りながら、このまま彼と永遠に一緒にいられたらいいなあと思う。






**********





『俺と私』の物語、これで終了です。
今回は久遠×キョーコのパラレルという事で、本当に好き勝手させて頂きました。
お陰でとんでもない久遠さんが出来上がりましたが、やはり蓮さんの基本ですしこんな感じで締めちゃいました。
ここまでお付き合いありがとうございました(*^_^*)

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2013.04.23 Tue l 俺と私 l コメント (2) トラックバック (0) l top


このお話は、久遠×キョーコのパラレルです。
どんな久遠&キョーコでも引かないよ!と自信を持って言える方のみ……どうぞ。








【俺と彼女 4】



最上さんの部屋に通う様になって一年が過ぎた。


その日も最上さんの部屋のベッドで、彼女との甘く蕩けるようなひとときを過ごした後。
彼女は前触れも無く俺に言った。

「私、今度お見合いするんです」

耳を疑った。
彼女は結婚なんて興味が無いと、以前言っていたのに。

「お見合い?なんで!」

「母代わりの女将さんから勧められていた方と、今度お見合いする事になったんですよ」

ああ…なんだ。お義理ってやつか。
そう思い、先程驚いた拍子に落ちた使用済みの物を拾ってゴミ箱に捨てた。

「なので、もうここには来ないで下さい」

「え?何で?」

何でそんな話になるんだ。
言っている意味がわからず、単純な単語しか出て来ない。

「もし相手の方が良さそうな人で、先方さんも気に入って下さって、ご縁があれば、お話は進むでしょうから」

ニコニコと笑顔の彼女は話を続ける。

「そんな時に私の部屋に男の人が出入りしていては、相手の方にも紹介してくれた女将さんにも良くないので」

……………。
何がどうしてこんな話になったのだろうか。
未だ思考が追いつかないというのに、彼女は最後の爆弾をサラリと落とした。


「だから、今日が最後です」


頭に血が登るのがわかった。
大人になって、こんなに興奮した事なんて無かった。
だが、とても収まりそうもない。

「……行くな……」

俺は必死に荒くなりそうな言葉を抑え、低い声で言った。

「見合いなんて行く必要無いだろ…!」

落ち着こうと思い、大きく息を吸って吐いた。
彼女は驚き、ポカンとしている。

何でお見合いなんて行くんだ!
俺がいるのに!

…………………。

俺がいるのに?


自分の考えに、自分がビックリした。
今の言葉は、今まで散々自分が言われるのを避けて来た関係の様ではないか?

「……どうしたんですか?そんな事言って」

困惑しながら言う彼女。

「何で怒ってるんですか。
私達、そんな間柄じゃないですよね?」

そう。恋人なんかじゃない。

でも!

でも!!

最上さんが他の男と結婚するなんて冗談じゃない。
その前に、他の男とヤるのも、手を繋ぐのも、目を合わせるのだって許せない。

最上さんは俺とこのままずっと……
最上さんはずっと俺と一緒にいるんだ。

最上さんを他の男なんかにとられたく無い。
俺には最上さんさえいてくれればそれでいいんだ。


!!!

そうだ!そうだよ!!


合法的で、合理的で、ずっと一緒にいられる最適な方法があるじゃないか!



結婚すればいいんだ!!



俺の様子に完全に引いている最上さんの前に行き、彼女の手を握って厳かに心を込めて……。

「最上さん…
見合いなんかせず、俺とけっk「無理です」

………え?

最後までプロポーズの言葉を言わせて貰えないうちにバッサリ拒否、という予想外の展開に俺の動きがまた止まった。





**********




最初は3〜4話と言ったけど、収まりきりませんでした(^_^;)
なので、次が最終話になります。






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2013.04.22 Mon l 俺と私 l コメント (0) トラックバック (0) l top

このお話は、蓮ではなく久遠×キョーコのパラレルです。
しかも設定が、ショータローに捨てられた後芸能界には入らず、事務の仕事に就き大人になったキョーコと、大きな壁(偉大な父親と同じ職業)にぶつかる事なくただの会社員として大人になった久遠の物語です。
そんな訳で、キョーコも久遠も完全にイメージ通りではありません!
キョーコと久遠の名を借りた別人の様になってしまいました。

そんなお話でも大丈夫!と胸を張って言える方のみ、この先をどうぞ……。








【俺と彼女 3】




俺の名前は久遠・ヒズリ。

両親はハリウッド俳優とスーパーモデル兼女優。
両親がアメリカにいる中、普通の生活をしたかった俺は一人、父の母国・日本での生活を楽しんでいた。

適当に就いた仕事だが上司や同僚に恵まれ、成績も良い。
この容姿のお陰で女性に苦労した事もない。


そんな日々の中の出来事だった。


新人歓迎会の一次会が終わり、隣りにはびこる女の子達の香水に何だか胸焼けの様な不快感を催し、失礼の無い様にしながらこれで帰ろうとした時だった。

廊下に出ると、事務の最上さんが前をフラフラと歩いていた。

彼女とは一言二言話した事がある程度だが、仕事は至極真面目で、俺と他の社員と分け隔てなく接する態度に好感を持っていた。

フラフラ危なっかしい足取りに一つ息を吐いて、彼女の身体を支えながら声を掛けた。

「最上さん、大丈夫?」

顔を見ればもうあきらかに出来上がっている。
きっと上司にだいぶ飲まされたのだろう。
返事の無い彼女はバッグを持っている事から、自分の限界を感じ帰るところのようだ。

「ほら、掴まって」

半ば引き摺るように会場を後にして、タクシーに彼女を乗せる。

「最上さん、自分の家、教えないと送って貰えないよ?」

だがタクシーに乗せた彼女は目を閉じ、笑顔で支離滅裂な事を言うだけだ。
運転手も困っている。

大きく溜め息をつき、俺もタクシーに乗り込む。
何度もしつこく聞いて、なんとなく言った住所に向かって貰う。

こんな酩酊状態の女性を運転手に任せるのも可哀想だし、危ない。

ここだ ここだ と聞こえなくも無い言葉のいう通りにタクシーから降り、彼女を引き摺りながら部屋の前まで移動し、何とか鍵を開けて貰い、彼女を玄関の中に降ろした。

「帰るから、ちゃんと鍵!掛けてね」

完全な酔っ払いの彼女を見ると、顔は赤らみ、潤んだ瞳に、着衣は乱れ、捲れたスカートから白い脚が見える。
ニコニコと見上げる彼女に、俺の喉がゴクリと鳴った。


その後は………そう、ご想像通りの展開です。

送り狼なんて初めてした。
誘われた訳でもなく、酩酊状態の女の子を襲ったのも初めてだ。

まあ特に今、彼女がいる訳でもないし、彼女も本気で嫌がってなかったし……いっか。



俺は特定の彼女はつくらない。

二十代前半まではちゃんと付き合ったりしていたけど……何故か、すぐフラれた。
大切にしていると思うが、付き合ってももってせいぜい数ヶ月。長くて半年といったところか。
いくら俺でもフラれれば落ち込む。

そのうち気が付いた。
付き合わなければ良いのだと。

付き合ってなければフラれない。

気に入った子が声掛けて来たら、会いたい時に会って、ヤリたい時にヤって。
事前に相手にそう納得して貰えば楽しく過ごせるのだと。



翌朝目が覚めると、目の前の彼女はクスクスと笑っていた。
良かった、処女だった彼女に同意なく事に及んでしまったが、怒ったりしてないようだ。

そして更に安心したのが、彼女のその後の対応。
関係を持つ時、俺はいつも事前に「彼女はいらない」と言うが、最上さんには言ってない。
だけど彼女は「付き合いたい」とか「責任」とか「私達はどんな関係なのか」といった、煩わしい事など一切言わなかった。

その後何回関係を持ってもいつもドライで、彼女と過ごす時間が快適だと思うようになっていった。

最上さんが作るご飯はいつも美味しいし、一緒にいても好きな事が出来る。
言葉や態度といったものも、プレゼントの様な物も、俺の時間も、何も、欲しいと言われなかった。


彼女との関係は、まさに俺の理想だと思った。

そうなると、なかなか他の女性と関係したいと思えなくなる。
いつの間にか、俺は最上さんの部屋に定期的に通っていた。




**********



はい………皆様の非難が聞こえます。ヒドイ久遠さんになってます。
でも!なに不自由無い生活と偉大な父のあのくだりが無く育てば、そしてキョーコさんに会うのがこのくらい遅れたら…こんな久遠さんが出来上がるかなーなんて……思ったんですよ。
ああ……次回の久遠さん、UPしたくない……ゔゔ(泣)

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2013.04.20 Sat l 俺と私 l コメント (6) トラックバック (0) l top

このお話は、蓮ではなく久遠×キョーコのパラレルです。
しかも設定が、ショータローに捨てられた後芸能界には入らず、事務の仕事に就き大人になったキョーコと、大きな壁(偉大な父親と同じ職業)にぶつかる事なくただの会社員として大人になった久遠の物語です。
そんな訳で、キョーコも久遠も完全にイメージ通りではありません!
キョーコと久遠の名を借りた別人の様になってしまいました。

そんなお話でも大丈夫!と胸を張って言える方のみ、この先をどうぞ……。







【彼と私 2】



彼が定期的に私の部屋に訪れる様になって数ヶ月。
もちろん、特に付き合っている訳でもなく。
ただ、たまに来てご飯食べて、各々が好きな事をしたり(本を読んだり、テレビを観たり)していた。
まあ、必ず色事も付いて来ますが。


久遠・ヒズリさんは自分の魅力を知っている人だ。
と同時に、女性の扱いも手馴れている。
世の女性を魅了する外見に、優しい言葉。さりげない気遣いが出来て、何より女の身体というものをよく知っている。

今まで他の誰ともした事はないから比べようも無いが、それでも、彼はとても上手いのだと思う。
性的な事を蔑視していた訳では無いが、全く必要性が見出せなかった。そんな考えが改まる程の大きな快楽を毎回私に与えてくれる。

だからなのか、男性とはお近付きになりたくない私も、彼の訪問は頑なには断れないでいた。


ただ……彼はあくまで別世界の人。

私はもう二度と恋などという愚かしい事はしない。

彼とのこの関係も特に大きな意味を持たないし、私の中でも大きな位置には無い。

そして彼もまた、肉体関係はあってもそれ以上のものを欲しがるような事は無かった。


つまり、私達はそういう関係なのだ。



**********



そんな関係が、いつの間にか一年を過ぎた頃だった。


私は幼い頃から親ではなく、幼馴染みの家に預けられ育った。
幼馴染みがミュージシャンを目指し一緒にそこを出ても、女将さんはまるで本当の母親の様に今も度々私に連絡してくれる。

優しい女将さんは娘の様に思ってくれている私の将来が心配なのか、息子は諦めて私だけでも京都に帰って来て欲しいのか、25歳を過ぎたあたりからよくお見合い写真を送って来た。

結婚にも、男性にも、全く興味が無かった私はその全てを断って来たが……

このところ、その概念が覆されてきた。

もちろん、きっかけは彼である。


その頃になると、彼と過ごす空間はとても居心地がいいものだと感じていた。

どこに出掛けるでもなく部屋でお互いが好きな事をする。
私の作ったご飯を美味しいと言って食べる。
そして、淫猥な欲求に従って身体を重ねる。

幼馴染みとの時の様な横暴な生活ではなく、自然に、負担もなく、楽に。
私も他人と、思っていたよりも悪くない生活ができるのだと。

そんなふうに考えていたところで、さっきのお見合いの話に戻る。

私の手には一冊のお見合い写真。
開けば微笑む男性の顔写真と、相向かった隣りに全身が写った写真。
昔ながらの一冊だ。


私はおもむろにに電話を握った。
相手は、女将さん。

私は恋愛なんてしない。
結婚するなら、お見合いするのがちょうど良いのではないだろうか。

そして、やはり結婚するなら一緒に過ごして負担の無いほうがいい。
いちいち女性関係で揉めるのも避けたいから、女性に疎いくらいがいい。
平凡に過ごせる様に、仕事に真面目な人がいい。

どうせお見合いするなら、そんな人が良いのだと言うために。


そして、まさに今回のお見合い相手は理想的だと強く女将さんに勧められ、会う事を承諾した。



**********



ある日、私の前で事後処理をする彼に、今度お見合いをする事を言った。
ベッドに横になり、息を整えて、サラッと でもニコリと。

「お見合い?なんで!」

驚く彼。
処理したのもが手からポロリと落ちる。

「母代わりの女将さんから勧められていた方と、今度お見合いする事になったんですよ」

「ああ…そうなんだ」

冷静になってきた様で、落ちた物を拾いゴミ箱に捨てる彼。

「なので、もうここには来ないで下さい」

「え?何で?」

またもこちらを見て目を丸くする。

「もし相手の方が良さそうな人で、先方さんも気に入って下さって、ご縁があれば、お話は進むでしょうから」

ニコニコと笑顔で私は話を続ける。

「そんな時に私の部屋に男の人が出入りしていては、相手の方にも紹介してくれた女将さんにも良くないので」

動かない彼をよそに、私は横になったまま淡々と言った。

「だから、今日が最後です」





**********



次回からの久遠さん編、皆様ご注意下さいね!
絶対!見ない方がいいと思います。
桃じゃないけど……限定にしようかと思うくらいのシロモノですよ……。




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2013.04.19 Fri l 俺と私 l コメント (4) トラックバック (0) l top
このお話は、蓮ではなく久遠×キョーコのパラレルです。
しかも設定が、ショータローに捨てられた後芸能界には入らず、事務の仕事に就き大人になったキョーコと、大きな壁(偉大な父親と同じ職業)にぶつかる事なくただの会社員として大人になった久遠の物語です。
そんな訳で、キョーコも久遠も完全にイメージ通りではありません!
キョーコと久遠の名を借りた別人の様になってしまいました。

そんなお話でも大丈夫!と胸を張って言える方のみ、この先をどうぞ……。













【彼と私 1】


私、最上キョーコ 27歳。

自分で言うのもなんですが
私はこれといって可もなく不可もない、いわゆる平凡な女です。

もともと家庭環境が良くなかったから結婚願望も皆無だし。
唯一ずっと好きだった幼馴染みに、完全に家政婦扱いされた挙句に軽くポイされたのが数年前。

正直、家庭なんてものに興味は無いし、オトコはこりごりです。

私は一人でも強く逞しく生きて行く事を心に決めて、男の人とはあまり関わらず、仕事に勤しみ堅実に生きてきました。


なのに………

何故、隣りにはこの人が寝ているのでしょうか?



ここは私の部屋。
私は全裸でベッドの上にいる。
隣りには金髪のサラ髪から覗く美しいく整ったお顔と、逞しい上半身を惜しげも無く晒す男。


ああ……。
よくある、起きたら美形が隣りで寝てたってヤツだ。

本当にこんな事ってあるんだなーなんて、こんな状況なのに私は割りと冷静だ。
男の人はこりごりだと敬遠していた私は未だに処女だけど、流石に十代の頃の様に「破廉恥だー!」なんて叫ぶ歳ではなくなったのだと実感した。

ん?

この状況的に、もう私は処女では無いのか?

そういえば…何だか痛みが……。


また隣りを見る。

私はこの人を知っている。
営業部のヒズリさんだ。
久遠・ヒズリさんはクォーターらしいと同僚が騒いでいたのを聞いた事がある。
金髪碧眼に整った顔立ち。おまけに仕事も出来て、フェミニストとくれば騒がれない訳がない。
仕事の関係上一言二言喋った事ある程度で、まあ一言でいえば私とは『別世界』の人。


そしてまた、思考は何故ここにこの人がいるのか?に戻った。

昨日は会社の新人歓迎会で、上司にだいぶ飲まされたから…

『酔った勢いで』ってやつですかね……。

本当…お約束の展開。

私は少し可笑しくなって、クスクス笑った。

すると隣りの男が起きたようだ。

「ん…おはよう、最上さん。
なんだか楽しそうだね」

「おはようございます」

「身体は…辛くない?」

「ああ、はい。大丈夫です。
すみませんが、これから用があるので早めに帰って頂けると助かります」

本当は用など無い。
どうせ今回限りでもう関わらないのだから、酷い言い方だと思ったが早々に帰って貰いたかった。

「ああ、ごめんね」

にこやかに 爽やかに言う彼は、金髪が揺れ眩しいほどだ。
ベッドの下に散乱した自分達の服をお互い拾い集め、そそくさと着る。
そして用意が出来ると玄関へ。

「昨日は良かったよ。
じゃあ、またね」

私は営業スマイルで送り出した。

……またなど無いのだから、社交辞令なんていらないのに。
そう思いながらシャワーを浴びるべく、浴室に向かった。



**********



それから数日。
その事など無かった事として、いつもの日常を過ごしていた。



会社でたまたま会ったヒズリさんに、こっそり「今日部屋に行きたい」旨のメモを渡された。


そして……
気付けばまた、今日も部屋に来た彼。
今日は酔っていないが、やっぱりそういう流れを作られ
抵抗する事もままならず、また次の日の朝を迎えた。



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2013.04.18 Thu l 俺と私 l コメント (2) トラックバック (0) l top


目を開けると、目の前には逞しい肉体美。
ギョッとなり見上げると、気持ち良さそうに眠る敦賀さん。
彼の腕がしっかりと私に巻き付き、起き上がる事が出来ない。

流石に情事も4回目になると、起き抜けの驚愕な悲鳴は出てこないようだ。

がっちりと抱き込まれている体制からなんとか抜け出そうとあたふたしていると、上から声がおりてきた。

「ん…おはよう、最上さん」

「…………。
オハヨウゴザイマス」

寝起きの眠そうな様子まで絵になるのだから、本当に困ってしまう。

絡まっていた腕に力が入り、強く抱き締められると不意に口付けられた。
最初は優しく触れる程度の。次に唇を舐めるように。
その行為に昨夜の痴態を思い出した。
慌てて唇を離そうとするとそれが分かったのか、敦賀さんの腕が首の後ろにまわされ動けない。

舐める様な口付けは次第に濃厚な口付けとなり、抵抗出来ない私はされるがままだ。

どれだけの時間そうされたのか。
やっと唇を解放された時には、完全に酸欠で全く思考がまわらない状態だった。

優しい瞳が私を覗き込む。

「好きだよ、最上さん」

脳にやっと酸素が充分巡ってきたはずなのに、入ってきた言葉をすぐ理解出来なかった。

「だって…
敦賀さんが別れたいと思っていたんでしょう?」

「?
俺は最上さんと別れたいなんて思った事一度だって無いよ。
君が俺と別れたかったんだろう?」

「でも!表情が…とても苦々しい感じでしたし、笑顔も仮面の様で。
私との事、後悔していたじゃないですか」

「後悔?冗談じゃない。
どんなに長いこと君を想ってきたと思ってるんだ。
まあ確かに、最上さんの言う通りの顔は思い当たるかな」

「いつも私に言う謝罪は何の謝罪ですか?」

本当は聞きたくなんてない。良くない事を言われるのは分かっているのだから。

「…………。
他に想う男がいる君を…解放してあげられなくて…ごめん…」

私の身体にまわされた腕に力が入り、あの苦々しい表情になる。

「今…何と仰いました?」

「君は今も…不破を好きなんだろう?」

「はあ?何でそんなバカな話になるんです!そんな訳ないじゃないですか!」

よりによって何故そこにショータローが出て来るのだろう?
ショータローとの事を知っているはずの敦賀さんが、何でそんな勘違いをしているのか。
むしろ昔の話として過ごせるようになってきたのを喜んでいるくらいなのに。
あまりのあり得ない話に、驚きと憤りを露わにする。

「……勘違い?」

一緒になって敦賀さんも驚いた様子だ。
いつの間にそんな話になってしまったのか、彼の態度が変わってきた頃を思い出す。

「あ!ショータローの歌番組!
あの時のあれで勘違いされたんですか?」

彼の顔は複雑といった表情で、私の額にキスをする。

「あれも、そう思った要因の1つだよ。アイツを見る最上さんの表情が明らかに優しかったから」

要因の1つ……
まだ私は何かしたの?

「初めての夜、君は不破の夢を見ていたよ」

「え!アイツの夢?」

「名前を…呼んでた。
愛おしいそうに」

「……………」

最低だ。
敦賀さんの隣りにいながら、バカショーの夢を見て、寝言とはいえ名前まで口にしてしまうとは……。
そして、それを…全く覚えていないという事実。

「も!申し訳ございませんーーー!!」

ガバッと力強く起き上がり、自分が全裸なのも忘れ、三つ指をついて額をベッドにつける勢いで土下座をする。

すかさずまた力強い腕が私を捕まえ、彼の胸に飛び込む形になった。

「不破の事、好きじゃ無い?」

彼の上で抱き締められながら、問われる。

「好きじゃありません!
私は敦賀さ…ん…が……」

勢いに任せて言ってしまった言葉が恥ずかしくて、顔が急に熱くなる。
彼に抱かれながら狼狽えていると、神々しい笑顔と共に熱いキスをされた。

「その言葉を待ってた…ずっと、長いこと。
最上さん、もう一度…言って?」

「え?言った事、ありませんでしたか?」

「無いよ、今まで一度も」

拗ねたように口を少し尖らせる彼。
そんな顔はテレビでは見たことも無い顔で、『敦賀蓮』ではない少年のようだ。
そんな彼に愛おしさが込み上げた。

「好きです、敦賀さんの事が」

普段恥ずかし過ぎて言えなかった言葉が素直に口から出た。

今まで一度も自分の気持ちを言ってなかったなんて……
勘違いもしたくなる……かも。
もし反対に敦賀さんが、寝言でも他の女性の名前を口にしていたら…そう考えたら胸がズキンと痛んだ。

彼を今度は私が抱き締める。

「好き…大好きです」

「俺も…最上さんが好きだ」

頬に温かい手が当てられ、優しく彼の唇が私の唇に重なった。

「俺が最初から最上さんに向き合って、話していれば良かった。
そうすればすぐ解決出来た事だったんだ」

「すみません。
そもそも私が最初から言葉足りないから…」

「じゃあ、お互いコミュニケーションが足りなかったって事で。
今後はしっかり会話していこう」

「はい!」

お互いの顔を見合わせながら、柔かに笑い合った。


「早速だけど……
キョーコって…呼んでもいい?」

「はい!
あ…でも、外ではいつも通りに呼んで下さいね?」

微笑む彼。
………の目線が、明らかに合わない。

「良い眺めだし、キョーコの気持ちも分かったし…
昨夜の続きを、しようか」

いつの間にか夜の帝王が首筋にキスを落とす。

「え?あ…あの…
時間ももうありませんし…」

構わず迫る彼。

「今日はもう……
無理ですーーー!!」



その後キョーコの身がどうなったかは……ご想像にお任せです。




**********



Wishの第1弾は終了です。
付き合い始めの2人がコミュニケーション不足ですれ違うって図が書きたかった訳ですが。
力不足で上手く文を繋げる事が出来ず、しかも子供達が春休みでなかなか書く時間が途中とれずにおかしな文になっている箇所があるかも…(泣)
兎にも角にも、ここまでお付き合いして頂きまして、本当にありがとうございました。


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2013.04.16 Tue l Wish l コメント (2) トラックバック (0) l top


いつの間にか私は、昨日別れたはずの敦賀さんの部屋いた。

確かに昨日「別れましょう」と言ったはずなのに。
この何も無かったと言わんばかりの彼の言動。
別れを望んでいたのは彼で、その願いを叶えたのにこの状況が理解出来ずリビングのソファに座りながらグルグルと考えていた。


ラフな格好になった敦賀さんがドアから現れるのを見ながら、これからどんな会話が繰り出されるのか想像も出来ず恐怖を感じる。

恐れおののく自分と、すこぶる機嫌の良い敦賀さん。

そういえば、こんなご機嫌な敦賀さんは久し振りのような気がする。
やはり私から解放されたからこその機嫌なのかしら。
自分の考えにズキンと痛んだ胸をおさえる。


彼は柔らかな笑みをたたえて隣りに座ると、そのまま動作を止める事なく私の手をとり甲に口付けた。
流れる様な所作に私は何が起きたのかわからず、暫らくしてから狼狽える。

「な!…なに…を…!」

今の私の顔色は赤いのか青いのか、自分ではわからない。
彼は普段通り涼やかに、でも私の手は離さずにニコリとする。

「何って…恋人の手にキスをしただけだよ?」

「あの…私、昨日…」

「…そうだね。でも、俺は了承した覚えは無いよ。
付き合う時と同じ様に、別れる時もお互いの同意が必要だろう?
俺は最上さんと別れる気は無い」

敦賀さんは何を言っているのだろう。
別れたがっていたのは彼の方ではないか。
会えば仮面の笑顔と苦々しい表情。繰り返す謝罪。
優しくも残酷な彼が言い出せなかった言葉を、私が昨日どんな思いで絞り出したか。

私は敦賀さんの言葉の意図がわからず、彼を見つめたまま動けない。
そんな私のうなじに、彼の長い指が触れた。

「どうしても、君を離したくないんだ」

うなじを撫で耳の後ろの髪を弄んでいた手が下がり、腰を抱かれ彼の方に引き寄せられる。

「だから……
今、俺が出来る事をするよ」

抵抗の為に敦賀さんの懐に手をつくが、逃れようとする体を優しく抱き込まれ頤(おとがい)をすくわれた。
近い距離で彼と目が合う。
そしてゆっくり彼は私に口付けた。
啄むようなそれは次第に官能的なものに変わり、抵抗する事を忘れ思考が霧散していくのがわかった。

「外見も歌や声も、最上さんの望むものじゃない。お金や贈り物でもきっと君の心奪う事は出来ない。
なら……体しかないだろう?」

蕩ける様な濃厚な口付けの合間に囁かれた声に、体の奥から湧き出る何とも言えない感覚に流されて…
彼の言葉の内容まで、頭がまわらない。

「昨日はいいように翻弄されちゃったから、今日は……覚悟してね?」

見ればそこには夜の帝王の妖しい微笑み。
その雰囲気に「まずい」と思い、ソファから立ち上がり逃げようとする。
すかさずしなやかな腕が私の体を抱き簡単に捕まると、うなじにキスをした。

「君は俺とこういう事するの…嫌いじゃないでしょ?
昨日は最上さんから仕掛けてきたんだ」

フワリと身体が浮き、寝室のベッドに降ろされそのまま組み敷かれる。

「何で…こんな事…」

口付けるべく近づいてきた彼の顔から背け、混乱する思考を声にした。

「君が俺と別れたくても、俺は君が好きだから…
こうでもして、俺から逃れられない様に縛り付けてしまいたいんだ」

「そんな…」

その後の言葉は彼の荒々しい口付けによって紡ぐ事も出来ず…

後はもう激しく執拗に繰り広げられる愛撫と、彼の逞しく激甚な抽送が私を堕としていった。



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2013.04.15 Mon l Wish l コメント (0) トラックバック (0) l top


いつか言われるとわかっていた。
とうとう告げられてしまった。
絶対に聞きたくなかった言葉を。

俺と別れたら最上さんは、アイツとまた……

そこまで考えて、その後に浮かんだ言葉を否定する様にかぶりを振った。
考えたくもない。想像もしたくない。

乱れた身なりを少し整え、彼女が消えたドアの方を見る。


アイツへの想いを感じ取ってから、いつかこの日が来るとわかっていた。
その日に恐怖さえ感じていた。
最上さんに去られたら、俺はどうなってしまうのだろう…と。
絶望と闇にまた囚われてしまうのかもしれないとまで思っていたが、現実は違った。

たとえ彼女が誰を想っていても、この想いは消えない。

彼女は生きている。

何も出来ない訳じゃないんだ。
ただ、ふりだしに戻っただけ。

そう考えていたら、たった今別れの言葉を言われたばかりなのに早く彼女に会いたくて会いたくて堪らなくなった。



**********



翌日
仕事の合間の手に持つケータイには、最上さんの番号が表示してある。
そこに通話ボタンを押す。

昨日の今日で、彼女は俺からの電話に出てくれない事の方が確率的に高いかと思っていたが、数回のコールの後に可愛らしい声が聞こえた。

「もしもし、最上です」

若干声が上ずっている様子も可愛いと思うのだから、俺は末期なんだろうと思う。

「やあ…こんにちは、最上さん。
今日は何時頃上がれる予定?
俺、今日は少しだけ早そうなんだ」

「…こん…にちは、敦賀さん。
あの……私何かお部屋に忘れ物でもしましたか?」

「いや、特に昨日は忘れ物は無かったようだよ?」

一つ息が漏れた音が聞こえた。

「やっぱり、話し合いとかが…必要なんですか?」

「……話し合いというより、最上さんに会いたいだけだよ」

「?!
な!何を仰ってるんですか!」

「ああ、ごめんね。もう時間なんだ。
今日終わったら迎えに行くよ。何時頃終わる?」

「え?21時過ぎには終わる予定ですが…」

「わかった。俺は22時には終わるから、待っててくれる?」

「あ…いえ…あの!」

「じゃ、またね」

通話終了ボタンをいつもより早めに押す。
別れたがっている彼女には申し訳ないが、嬉しくて堪らない。

気をきかしてこの場を離れている、社さんがいないガランとした楽屋で顔が俄かに緩む。

そして今日出来るだけ早く終わらせるべく、残りの仕事を精力的にこなした。



時間は21時半を過ぎたところだ。

俺はラブミー部で待っているだろう彼女を迎えに来た。
ドアを軽くノックし、ドアノブに手をかけようとした時、中からの声に動きを止めた。

「だから!プッチンプリンなんて翔子さんに頼めばいいでしょ?
そんなくっだらない事でわざわざ電話してこないでよ!」

この会話の感じは…
どうやらアイツからの電話らしい。
急に胃の辺りが痛む感覚に顔をしかめる。
でも…彼女はアイツに対して、以前と変わりないような対応だ。
その事に少しだけ胸の痛みが緩和され、動かなかった手に力を入れドアをゆっくり開けた。

電話に夢中で気付かない最上さんの後ろからスッとケータイを抜き取り、耳につける。
相手は何か喋っている様だったが、構わずそれを遮った。

「やあ、不破くん。
悪いけど、彼女と過ごす時間が減るから、たいした用じゃないなら切るよ?」

そう言い終わると同時に切り、ケータイを彼女に返した。

声も無く、驚愕といった顔の最上さんを運ぶ様に地下の駐車場に行き、流れる様に自分の部屋に連れて行った。



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2013.04.10 Wed l Wish l コメント (0) トラックバック (0) l top

redo(続開)1 / 2 / 3(限定) / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11(限定)




「キョーコ!」

テレビ局の廊下を歩く私の後ろから、出来れば二度と聞きたくなかった声が響いた。
どんどんと近付いて来る足音。

ひとつ溜め息が溢れる。

足を停め後ろに振り向けば、少し弾む息を携えて私の腕を掴んだショーちゃん。

「何よ、私はあなたと話す事は無いわ。
この手、放して」

努めて冷静に言葉を放つ。

「な!…お前!ケータイ通じねえよ!
キョーコのくせに、勝手にケータイ換えんなよ」

「もう私とあんたの縁は切れたの。
あんたが切ったんでしょ?
もう声掛けないでよ」

あの日のあの言葉
あんな事があったのに、コイツと会っても思ったよりも冷静でいられた事に私は少しホッとした。

「あの後、おふくろから連絡があってお前の母親の事…聞いたんだ。
……悪かったと思ってる。
あんな日に…あんな事、言っちまって」

苦々しい顔で、ショーちゃんにしては珍しく、謝るという行為。
流石のコイツにも、良心というものはあったようで。

でも、私にとってこの謝罪はもう…どうでもいい事。
今更、何故あの日だったのかとも思わないし、言わないで貰いたかったとももう思わない。

「もう…どうでもいい話だわ。
本当にもう終わった話だし、何とも思ってない」


私には今、私を必要だと言ってくれる人がいる。


「話がそれだけならもう行くわね。
もうどっかで会っても気軽に話し掛けないでね」

ニコリと笑顔で、くるりと方向を変え歩き出す。
するとまた、腕を掴まれる。

「待てよ。
まだ話は終わってねえ」

「イタ!腕…痛い。離してよ」

「お前…また、戻って来ないか?」

はあ?
全く面白くも何ともない。
どうせ冗談言うなら、もっと面白みのある事を言って欲しいものだわ。

「意味わかんない事言ってないで、この手離して」

だがショータローのくせに、いつもの人を小馬鹿にした顔では無く真顔で尚も言う。

「意地はってないで、俺のところに戻って来いよ」

「………。
ショーちゃん、私ね……
今、すごく幸せなの」

「?」

怪訝そうな顔をし、私を見るショーちゃん。

「今まで生きてきた中で、今が一番幸せ!
私には今、何よりも大切な人がいるの。その人からも、とても大切にして貰ってる」

驚きを隠せない様で、見開く。

そういえば…あの日
敦賀さんとの関係のキッカケを作ってくれたのは、コイツだ。
母の事だけではあんな感情にはならなかっただろうし、「地味で色気も無い」って言葉が無ければあんな痴女の様に敦賀さんに迫ったりなどしなかっただろう。

ショーちゃんは言葉が出ないのか、目を白黒させている。

コイツからしたら青天の霹靂なのだろう。
それはそうだ。つい数ヶ月前まで十数年間、私は自他ともに認める程ショーちゃんしか見ていなかったのだから。

そんな日々も、あの日のあの言葉も、今となっては良いキッカケだったんだ。

「だから、ショーちゃんが気にする事はもう無いし、私達は赤の他人。

『さよなら』だよ、ショーちゃん」

言葉が出ないショーちゃんに別れを言い、踵を返して歩き出した。


会いたくないと思っていたのに、今はむしろ清々しい気分だ。

仕事が終わったら彼のマンションへ行こう。
腕によりをかけて晩ご飯を作り、今の気持ちを話したい。



この、彼への想いと感謝を込めて……



**********



redo (続開)のおまけでした。
ショータローからの電話の内容とかのリクエストを頂きまして。
遅くなりましたが、UPさせて頂きました。

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2013.04.03 Wed l Redo (続開) l コメント (2) トラックバック (0) l top
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