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私はソレを見た瞬間、身体中が粟立った。

居ても立っても居られなかった。

すぐさまネットで調べて、仕事を調整して。
とるものもとりあえず、私はイギリスへと旅立った。


暗く何も見えなかったものが、初めてうっすらと…何となく輝いた気がした。
そう、一縷の光。


『TRAGIC MARKER』は一縷の光、そのものだと思った。





イギリスに渡った私はとにかく夢中だった。
できうる限りの人脈で、映画も舞台もドラマでさえも…くまなく破片を探した。

だけど、どんなに手を尽くしても…破片どころか、その存在自体の手掛かりすらない。

滞在して2週間。
調整した休みも終わる。もう暫らくはこんな大きな休みは取れない。

私は帰る飛行機の中で、次の行動を考えた。


『日本』だ。


ソレは日本のものだもの…
まずは…そっちに行かなければいけなかったのよ…。

彼は…『カイン・ヒール』は日本にまだいるはず。




**********




日本に降り立つまで1ヵ月以上かかってしまったが、やっと出演映画の番宣を携えてこの地へ来ることができた。
番宣の為に出演予定だったトーク番組に『村雨泰来』の名を発見し、神は私を導いてくれているのだと確信した。


ししおどしの音がカコーンと響く。
見事な日本庭園が臨める広い桟敷。格式ある日本料亭で、私は村雨泰来と向かい合っていた。

『こんにちは、はじめましてMr.ムラサメ。
今公開中の【TRAGIC MARKER】拝見しました。よても良い作品ですね。
私、大興奮しましたよ。ぜひ、この出演の役者さんに会いたいって」

通訳を介し、彼とにこやかに会話をする。

「光栄です。
俺もヘレンさんの映画観ましたよ。女性なのにあのアクション!
本当にシビレました!」

穏やかに流れる時間と、見目も見事な料理にしたづつみを打つ。
デザートが来る前に、私は本題を投下した。

『そのTRAGIC MARKERの主役の…カイン・ヒールさんの演技も素晴らしかったわ。
彼は、まだ日本に…?』

「カイン・ヒール?
ああ…クランクアップした直後に母国イギリスに帰ったってききましたよ?」

『……そう…、それは残念。
彼にも会ってみたかった…」

「……彼とこんなふうに2人で会うのは難しいですよ。
すっごい子が目を光らせていますから」

『すっごい子?』

「彼の妹なんですけどね。
お互いがお互いしか見えてないっていうか…
あの兄妹…病んでるとしかいいようがないっていうか…」

『……い…妹?
カイン・ヒールには妹がいるの?』

少し声を荒げた私に驚きつつもお茶をすするムラサメ。

「?
はい、カイン・ヒールと同じタイプの服をいつも着ていて、わりと可愛い感じの…」



その後も食事を楽しみ、彼との会食も終わった。
近日中には監督のMr.近衛とも会えるようにムラサメに頼んだし……。

カイン・ヒール

私は彼を見た瞬間、身体中が粟立った。


あの顔…

あの身体…

あの取り巻くオーラ…

…髪の色と目の色は違うけど……


彼は『クオン・ヒズリ』だと…確信した。


やっと見付けた!

……と思ったんだけど…。



…妹…?

クオンに妹はいない。

………………。



クオン…


どこにいるの……?


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2013.07.31 Wed l Wish l コメント (2) トラックバック (0) l top

Wish
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俺が彼女の来日を知ったのは、ドラマ撮影のお昼休憩の楽屋で。
テレビに映る、光るフラッシュを浴びながら空港内を歩く彼女をただ見ていた。

「……蓮がテレビに釘付けなんて珍しいな。しかも、キョーコちゃん以外の女の子なんて」

隣りに座っていた社さんが弁当を食べながら言う。
そこで初めて、自分の弁当を食べる箸が止まっていた事に気が付いた。

現時点で最上さんとの交際を知っているのは、社さんと琴南さん、それと最近報告した社長だけだ。

「なんだ、好みだったのか?
やめろよ?キョーコちゃんが泣くぞ」

「そんなんじゃないですよ」

ニコリと笑顔で返し、また食事を再開する。
こちらをジト目で見ていた社さんも、やがて食事を再開した。





【Wish ~秘密~】





静かな部屋に聞こえるかすかな寝息。
隣りに眠っている愛しい彼女の身体を抱き締める。
その身体は柔らかく、滑らかで、俺の全てを狂わす香りがする。

先日の一件から、やっと心も身体も捕まえることができた何よりも大事なキョーコ。
キョーコとのこんな時間を永遠にしてしまいたい。
朝など明けずに、彼女の気持ちも彼女自身も俺の腕の中に閉じ込めてしまいたいと思うのだから、俺は相当重症なんだろう。

いつか…いつの日か、母国に帰る日には…

キョーコが隣りにいて、しっかりと手を握っていたい。

たとえ今までの彼女達のように俺から離れようととしても、絶対放す事はできない。
いや、離さない。

俺はそう心を決めて、隣りの柔らかな肢体を抱き締め眠りについた。




次の日、俺はあるトーク番組のゲストとして出演していた。
今クール出演中のドラマの宣伝で、俺と共演の村雨くんがMC2人とソファに座り談笑していた。
収録も順調に終わり席を立ち、彼と一緒に楽屋まで並んで歩く。

『TRAGIC MARKER』は二ヵ月前に公開され、日本映画の興行収入にトップテン入りするほどの反響があった。
カイン・ヒールの正体は明かされておらず、近衛監督の話だと「公開三ヵ月で公表する」のだとか。
その方が一度観た人もまた…という意図があるようだ。
したがって、村雨くんにとって俺との共演は初めてという事になっている。

『TRAGIC MARKER』撮影中のアノ出来事など知る由もない彼は、俺に気さくに話しかける。

「敦賀さん、すごいんですよ!
『ヘレン・アーウィン』と明日会う事になったんですよ。
なんでも、あちらから是非にとかって」

村雨くんは大興奮だ。
彼はいずれハリウッドにも!と豪語していたから、ハリウッドスターからの対談ともなれば興奮も致し方ないか。

楽屋に着き彼と別れ部屋に入ると、少し離れて来ていた社さんも続く。

「今日はこの後アルマンディの撮影だから、移動する前に昼飯食べちゃおうか」

「そうですね。
キョーコのお弁当、社さんの分も預かってますよ?」

「お!いつも悪いな…」

「『自分の分1つ作るのも2つ作るのも同じ!
更に、2つ作るのも3つ作るのも全く同じ!』って、言ってましたよ?」

「こんな美味しいお弁当が食べられるなんて、俺も嬉しいよ。
頼むから変な喧嘩しないでくれよな」

「…なんですか、それ。
キョーコのお弁当を食べたいから喧嘩するなって…」

「まあ冗談はさておき、キョーコちゃんによろしく伝えておいてくれよ」

色鮮やかな色彩のお弁当と俺と社さん。
この昼食の時間に花が咲いたのは彼女のお陰で、同時に俺の心も癒されるような感覚がした。




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2013.07.30 Tue l Wish l コメント (2) トラックバック (0) l top
前回の分で締めようと思っておりましたが、「続きを!!」と言って下さる方がいらっしゃったので……
これからのお話を何にも考えてませんが、前回の『空の青』を『空の青 1』にさせていただきました。


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2013.07.22 Mon l 空の青 l コメント (4) トラックバック (0) l top
いつも一緒の電車で見掛ける、彼。
何て名前なんだろう…。


揺れる電車の中。
いつもの時間の、いつもの場所で…

私は名も知らぬあの人に、小さな想いを抱いていた。

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2013.07.17 Wed l 空の青 l コメント (8) トラックバック (0) l top
今回は記念すべき100人目のアメンバー様のたまご様から、先の記事の宣言通りリクエストを強奪させていただきました!

たまご様のリクエストは
『出来れば二人は新婚さんか何かで、蓮がTVのバラエティーに出演して、
無意識に惚気ちやったり、また何かを暴露されて照れちゃったりとか、
そんな楽しい感じなのが読んでみたいです。
単純に蓮さんがバラエティーとかトーク番組に出演する設定が読みたいです。』

リクエスト通りになったか…不安ですが、私の腕と頭に相談した結果こうなりました。
では、どおうぞ……。





『トーク番組禁止令』


ワタクシ、最上キョーコ……間違いました。
ワタクシ、キョーコ・ヒズリはただ今ピンチのような気がします。

何がピンチだって…それはもちろん、テレビに映る私の旦那さま『敦賀蓮』の、俳優生命の危機な気がしてならないから。


ここはとあるマンション最上階の一室。
私はリビングにあるテレビに両手をつき、マンガでいうならこめかみ辺りに青いスジが入っているであろう形相でテレビを見ている。
映っているのは『お○ゃれ○ズ○』という番組。

どんな番組か…説明が必要ですか…?
……平たく言えば、MC3人と共に座りながら語らうトーク番組です。


始まった直後から繰り広げられる言葉の数々…それを聞いた私は思わずテレビに両手をつき

「そ…それ以上……喋っちゃダ…メ…!」

そう呟いた事は罪ではないと思う…!




軽快な音楽にのせて始まった番組。
颯爽とセットの階段を降り登場した敦賀さん。

「本日のゲストは…2ヵ月前にご結婚されたばかりの『敦賀蓮』さんです。
ようこそおいで下さいました」

とMC達に歓迎され、一同は席に着いた。
着席そうそう始まったのは友人知人からのアンケート。

「早速ですが…モデルのニックさんからです。
敦賀さんはモデルとしても一線で活躍されてますもんねー」

機転のきくMCがうまく話を盛り上げる。
そしてニックからのメッセージが読まれ、私は固まった。

「敦賀さんと共演していて迷惑だなと思った事は?という質問にニックさんは…
『京子ちゃんに話し掛けようとすると、あからさまに威嚇する』
……これは本当ですか?信じられないなー、敦賀くん温和なイメージだから」

「はは……本当です。
たぶん冗談でしょうが、よく彼女に『蓮なんかやめて俺にしない?』とか言ってたりするんで…」

「私達からすると敦賀蓮初のスキャンダルがいきなり『結婚』でビックリしましたが、ニックさんは以前から敦賀さんと京子さんの仲はご存知だったんですね?」

「直接言った事は無いんですが…
彼、俺がいくら釘刺してもわれ関せずで…」

「はーなるほど、それで何となく威嚇していた訳ですね?」

「『芸能界一いい男』の1位を常にとり続ける敦賀さんも、ただの男だったんですねー」

話しは盛り上がっているようだが、見ている私のテンションはだだ下がりだ。

「京子さんと言えばこの数年、『お嫁さんにしたい芸能人No.1』や『彼女にしたい芸能人No.1』ほしいままにされているタレントさんですもんね。
敦賀さんが羨ましいですよー」

「そうなんですよ。
料理はプロ並み、演技も一流、気配りができて、何より可愛い!
なのに驕(おご)ることなく、礼儀正しく、……………………←永遠と続く賛辞
まあ、そんなものが無くともうちの奥さんは最高なんですけどね」

テレっと笑う彼の顔に、私は思わず両手をついた。

敦賀さん…テレビで何を言うの……?
『敦賀蓮』としてのイメージってものがあるのよ?

「そ…それ以上……喋っちゃダ…メ…!」

そこに映る彼に言うが、もちろん彼に聞こえる訳もなく…
なおも続く番組。

「さて、更にもう1人アンケートに答えて貰ってます。
同じ俳優の貴島秀人さんからで、普段の敦賀さんは?という質問に
『普段は温和で何に対してもスマートにこなすくせに、京子ちゃんの事になるとダメ男になる』
………ダメ男ですか?敦賀さんのイメージとはかけ離れた言葉ですよね。
更に、ダメ男のエピソードを何か1つお願いします、と貴島さんに伝えたところ…
『ロケとかが続いて暫らく京子ちゃんに会えなくなると、機嫌がさり気なく悪くなるし…
タイミングとか合わずに連絡が少し取れないと、周りを巻き込んで仕事をとにかくまく!
……もう、あげたらキリがないですよー』との回答を頂きました」

「はは……お恥ずかしい限りですね」

「ってことは、本当なんですか?」

「あまり自覚はないんですが…


続くトーク。
映る彼らは和やかだが……こちら側は、恐れおののいていた。

宣言したいと言っていた彼に猛反対し、交際をずっと秘密にしていたツケなのか…
それとも秘密にしていたが為の反動なのか…

彼は隠すことなく、嬉しそうに話している。


彼がこの番組に出演することになったのは、我らが愛の伝道師たる社長が勝手に決めた事は知っている。

だけど…だけど……


かの俳優のマネージャーとテレビに両手をつき青い顔した女が
「Noooooooooooooooo!!」と同時に声をあげたのはただの偶然ではなく…

その日から、敦賀蓮のイメージがガラリとかわり、
次の日には、鉄壁のガードを誇るあの、敦賀蓮を落とし…
尚且つ骨抜きにし続ける『魔性の女』と京子が呼ばれるようになったのは言うまでもない。




**********



たまご様、なんのオチもなくてすみません。しかもリアルが急にバタついてしまいまして、UPも遅くなり…。
お話をしっかり練り練りできず申し訳ないです。
この度はリクエスト本当にありがとうございました!


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2013.07.11 Thu l 短編 l コメント (8) トラックバック (0) l top
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