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クオンさんの言葉の○○は、ちょっとnet上に載せられないような禁止用語なので…
皆様のご想像にお任せです。




「珍しいな、クオン」

そう話し掛けてきた同僚。
朝出勤し、いつものメンバーで白いテーブルを囲み、いつもの一杯を口に含んだ時だった。

「なにが?」

「お前が別れた女の子とまた付き合うなんて」

「ああ…まあね」

確かに、復縁なんて初めてだ。

「なに?最上さんに懇願でもされた?
どうしても忘れられなくて…とか」

野卑的な笑みで問われる。

「…………」

懇願したのは俺の方だ。
懇願…されてみたいと思うよ。

俺は無言で同僚に微笑み返した。

「へー。ドライなクオンがヨリ戻すくらいなんだから…
最上さんってあんな純情そうに見えて結構……いいの?」

そう言い出したのは、向かい側に座る同僚。
そういえば…こいつが始めに「あっ!あの子なんてどうよ?」と言って彼女を指名したんだ。
こいつのお陰で彼女に出会えたとはいえ、さっきの物言いといい…素直に感謝できない。

俺はそいつを無表情で見たまま、無言を突き通す。

「あー、総務の子が言ってた。最上さん、料理が上手いらしいよ?
クオンもそんな家庭的なところが気に入ってるとか?」

隣りに座る静観していたもう一人の同僚がとうとう話に入ってきた。

「はーなるほど」

同僚全員が納得の声をあげる。

「じゃあクオン、別れたら教えて?
俺、次いくから」

さも楽しそうに言ったのは、やはり最初に彼女を推したそいつだ。

俺は啜っていたカップをガチャンと乱暴に置いた。
そして同僚を一通り一瞥した後そいつに視線をとめ、冷静に、できるだけ優しく言った。

「………○○すよ?」

最後にニコリとしてから立ち上がり、ひとり仕事を開始した。





清潔感に重きをおく白い壁と廊下。そこに、コツコツと足音が響いた。
いささか早いリズムを刻むその音は、自動販売機の前で止まった。

「まだか…」

俺は足元にあるベンチに腰を下ろし、もうすぐ来るだろう彼女のことを想った。

時間を置かずに近付く軽やかな足音。
その音に仰ぎ見れば、焦がれた笑顔があった。

「すみません、待ちましたか?」

「いや、今来たところ」

そう返しながら立ち上がる。
すかさず彼女の手をとり、強く握った。

「行こうか」






一年後


「え!またそんな『賭け』をしたんですかー?」

「うん、だからほら…ここ、書いて?」

俺は上機嫌で記入して欲しい場所を指で示す。

「はー初めて見ました。ここですか?
記入するだけでいいんですよね?」

サラサラと間違えることなく彼女は紙に自分の事を記入していく。

「本当、いつもろくでもない事ばかり『賭け』ますよね?」

そう言いながら書き終わった薄い紙を俺に渡した。

「先月はヒズリさんのご両親に会いにアメリカまで行ったのは、どんな『賭け』だったんですか?」

その言葉に、俺はあいまいに笑った。



ごめん、キョーコ。

俺はどうしても君の全てを手に入れたいから……

まずは君が逃げられないように外堀を埋めて、じっくりと君を攻略しようと思う。


死ぬまでこの気持ちを囁くから

だから、まずは君の隣りにずっといる権利が欲しい。


そして

時間を掛けてゆっくりと過ごしていく中で、いつか君からの「愛してる」が聞ければと思う。





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2014.01.31 Fri l Ставка l コメント (0) トラックバック (0) l top

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