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『約束』本編の最終話になります。













なんだ…それ…。

頭の中を過ぎて行った言葉に、くらくらする……。


『3日間だけなら…そう思ったから私も素直に承諾したんです』?

3日間だけだから付き合った?
3日間だけじゃなかったら付き合わなかった?
本当は嫌だったけど、しょうがなく付き合ってやったと…そう言うのか?

なんだ…それ…。

この3日間はなんだったんだ?



胸の内にボウっと灯った炎。
それが何という感情なのかわからない。

だが、俺はその炎の命ずるままに、最上さんを引き寄せ、乱暴に唇を奪った。

藻掻く最上さんを押さえつけ、抵抗の言葉も奪いながら。
俺は甘い彼女の口内を執拗に蹂躙した。

静黙なマンションの廊下に、僅かな呻きにも似た吐息が耳を刺激する。
始めこそ抵抗していた彼女は次第にその力を失い、俺の胸に置かれた手だけが強く握られている。


『心』も『身体』も手に入れたと思った。

でもそれは、幻だった……。


柔らかな彼女の唇からゆっくりと離れると、外気がやけに冷たく感じた。
力を失った最上さんを、そのままキツく抱き締める。

「俺は…別れたくない」

腕の中の彼女がこちらを仰ぐ。

「白状すると、あの日の事…覚えてないんだ」

「……え?」

「いつもよりも飲んでたらしくてね、君と話した事自体も、覚えてない…」

非難を覚悟したが、無言のまま驚きの表情を崩さない最上さん。

「隠してた訳じゃないけど、ごめん」

「だから……だから初日、約束していたお弁当に驚いて…」

呟く声がホロリと落ちる。

「正直、あの日俺は何を思って『3日間だけ』なんて言ったのかはわからない。
でも、以前から君に好意を持っていたのは本当だ」

抱き締めた腕をゆっくりと解く。

「もしも、『しょうがない、少しだけなら付き合ってやる』って気持ちがまだ残ってるなら。
どうかまだ、俺の彼女でいて欲しい」

最上さんの手に触れ、それを引き寄せた。

「………………。
あの日、私も飲みに出席していたのは覚えていますか?」

「ああ…うん……」

流石にその辺までは。

「暫くして、珍しく出席した私に、隣りに座った部長が絡んできたんです。
息子さんを私に紹介したい、と。
やんわりお断りしていたんですが…」

ああ、そうだ。
部長がやたらと最上さんに近いのが気に入らなくて、酒のペースを狂わされたんだ。

「困っていたら、主任が助けてくれたんですよ。
『部長、内緒にしてましたが…最上さんは俺と付き合ってるんです』って。
帰る時に主任がタクシーで送ってくれて。
その時に『あんな嘘を部長に言ってしまっていいんですか?』って聞いたら、『俺もちょうどあの時、秘書課の正田さんに困ってたから』と言ったんです。
で、『嘘を本当にしちゃえばいい』とか、『嘘が部長にバレたら…』とか主任が言い出して…
それでも迷っていたら、『3日間だけでもいいから』って仰ったんです」

なるほど。
あの押しの強い部長に詰め寄られたんじゃ、最上さんには荷が重い。
そのままなし崩しに部長のペースで息子さんを紹介され、いつの間にか最上さんが『息子の嫁』になっててもおかしくはない。

「だから、3日間だけならとOKしたんです」

その言葉に、また胸がズキリと痛む。


「俺は…君が好きだよ」


握った手の甲に口付けを落とす。

「君と別れたくない。
やっと彼氏の座を手に入れたと思ったのに、君は本当に残酷だ」

「………ウソ」

「…嘘?」

「だって…そんな事……。好きなんて…」

え?言ってなかったか?
記憶のないあの日は置いておくとして…

確かに、言ってなかった…か?

「好きだ」

あからさまに動揺する最上さん。

何度だって言いたい。

「ずっと前から、君が好きだったんだ」

最上さんの瞳に俺が映っている。

「だから、今度は無期限で…
俺と付き合って下さい」


訪れた沈黙。
俺は彼女の言葉を待った。

そして、「ひとつだけ…」と呟いた。


「約束してください」

いったんここで言葉を切り、呼吸をする。

「私から離れて行ってしまわない、と」

震えるような声色の彼女。

俺は、彼女の小指に俺の小指を絡ませた。



「約束するよ」



その言葉で微笑んだ最上さんに、俺はゆっくり唇を寄せた。





**********




『約束』本編は終わりでございます。
20000HITのお礼として書かせて頂きました。本当に、訪れて頂いた皆様に感謝!

で、ここまでキョーコさんの気持ちには敢えて触れませんでした。
皆様、キョコさんがやけに積極的だな~と思われたと思います。
それをside-Kとして、限定作品でUPしようと思っております。
なぜ限定?って…もちろん、アメンバー様感謝祭です。
以前の『蓮誕祭&一周年にむけて』のアンケートで投票頂きました、『限定ご希望の方』の期待に沿うべく。
「こだわって頂きたい」というコメントも頂きましたし、ここで限定作品としてUPしよう!とね(*^_^*)
なので、『約束 side-K』は、桃色じゃない限定作品になります。

なにはともあれ、ここまでお付き合い有難う御座いました!!





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2014.05.02 Fri l 約束 l コメント (6) トラックバック (0) l top

コメント

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2014.05.02 Fri l . l 編集
スッキリですよ~!!
「3日間」と「約束」の謎、分かりました。酔っ払った蓮様の苦肉の策だったわけですね。きっかけは部長さんと正田さんだったわけですが、そこには蓮様の気持ちも入っていたということで!! でも、言葉にして伝えるって大切ですよね。蓮様の頭の中では決定事項だった「キョーコちゃん愛してる」も言葉にしないと伝わらないですよね。桃色じゃない限定も楽しみに待ってます~!! 桃色でもいいですよ~\(//∇//)\
2014.05.02 Fri l しゃけ. URL l 編集
謎が解けてスッキリ爽快!
キョコさん目線も楽しみにしてます。(* ̄m ̄*)
(* ̄m ̄*)
2014.05.02 Fri l 魔人. URL l 編集
Re: 主任!必死すぎます!(笑)
C様

コメントありがとうございます♪

本当ですよね(笑)
たまたま乗り合わせたタクシーの運ちゃんはさぞ、面白おかしかったでしょうねw
そして、その必死な言動を忘れるっていうね…。
2014.05.03 Sat l 風鳥. URL l 編集
しゃけ様
コメントありがとうございます♪

敢えて、その辺の核心はサラッとにしちゃいました。
予告通り、『side-K』でちゃんとしっかり明らかにしたいと思ってます♪(正田さんとかね)

ウフフ(^q^)じゃあ、桃も視野に入れちゃいましょうかw
2014.05.03 Sat l 風鳥. URL l 編集
魔人様
コメントありがとうございます♪

次回はお待たせしている『迷惑千万なバレンタイン』の予定です!
2014.05.03 Sat l 風鳥. URL l 編集

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