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わたくし最上キョーコは、想い人『敦賀蓮』に本日、フラれました。







【恋花】




「は~、鬱陶しい…」

隣りに座り、傷心の私にこんな切れ味抜群の言葉を溜め息と共に溢したのは、親友のモー子さん。

「……もうちょっと、慰めてくれても…」

グスグスと鼻を啜りながら、私は両膝を抱えた。

「はいはい、ほら」

そう言って差し出されたハンカチを取り、私は腫れ上がった瞼に重ねた。

「ありがと…」

鼻が詰まり、若干喋りにくい。

「で?」

ぶっきらぼうな聞き方だが、親友の優しさが窺える。

「うん、ちゃんと言えた。
……で、予定通り、フラれた」




そう、まだほんの一時間前。


『あ、あの!好きです!』

『……え?え?…俺?』

驚く彼の表情と、緊張で瞬きさえ忘れた私。

『………嘘だろ…?意味がわからない……』

3年生の彼に意を決して告白した。

その答えに、彼はそんな言葉を残して遠くからの先生の呼び声に去って行ってしまった。


答えなんてわかっていた。

わかっていたはずなのに……。




私は後から後から頬を伝う雫をハンカチでゴシゴシと擦った。

「ああもう!そんなに擦んないの!」

ポンポンと頭に手を置かれ、「ん…」と返事をしながら窓の外を眺めた。

校内の花壇に、色彩鮮やかな花々が咲いている。
GWも終わり、麗らかな日差しがいつの間にか暑いと感じるようになった。

その先に見えるのは、校庭へと向かう体操着姿の敦賀さん。

「は~、ただ歩いてるだけなのに、それだけで絵になる人だわ…」

まるで私の声が聞こえたかのように、敦賀さんがこちらを向いた。
あんな距離から目が合うはずもないのに、思わず顔を逸らす。

そんな私にモー子さんが不思議そうな顔をした。
それと同時に、先生が教室へと入って来た。





「悪いけど、今日バイトだから先帰るね」

「うん、バイト頑張ってね、モー子さん」


誰もいない教室で、せっせと課題をする。
告白しようと浮足立ち、GW中に出された課題を忘れたというなんともオマヌケな私。

結果も分かり切った事なのに、何であんなにドキドキわくわくしちゃってたのか…。
今更ながらに恥ずかしさと、課題忘れの後悔が頭をもたげる。


桜が咲き乱れる校門前で、保護者欠席の私は一人入学式会場を探していた。
まだ初めて来た制服が大きくて、中学生という言葉が何故か少し大人になれたようで。
期待と不安に胸を弾ませていた。

『入学式はこっちだよ』

初めて出会ったあの時、敦賀さんはそう言い残して去って行った。
学ランをキリリと着こなし、桜の枝に届きそうな程の長身が見せた微笑みが印象的だった。

花びら舞い散る中での出来事。
メルヘン脳の私には、十分すぎる演出だったんだ。


一年後、中学を卒業した敦賀さんは高校へと進学。
もちろん私も猛勉強をし、この春、見事同じ高校へと入学した。






**********



本日考案、本日UPのクオリティです。
誤字脱字、ヌルい目で見て下さい(^_^;)

そして、『空の青』で敦賀さんは学ラン希望!の方がいらっしゃったので、今回は学ランを盛り込みました。





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2014.05.07 Wed l 短編 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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