上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

--.--.-- -- l スポンサー広告 l top


moka様の『fly away』様が一周年を迎えられたという事で
お祝いを兼ねて『mokaのお楽しみ』様で開催されていた、楽しそうなお祭りに参加させて頂きました。

始まり→財布忘れた…
素敵な作品がお披露目されている会場→思いつきアンケートのお宝お披露目

導入のmoka様の文章は、ご許可いただき少し変えさせて頂きました。
*******の前がmoka様のお書きになった所です。


ではmoka様…お目汚しですが、どうぞ―――





【Deja Vu】



昼なのに薄暗い雨の中、
「どうしたの?」
不思議そうに私に声をかけたのは、彼。

私は、はたと、足を止めた。
思いあまって訊ねたものの、何か用事があったわけではなかった。
・・・ただ、姿を見たかっただけ。
・・・そんなこと、言えないのに。

「――さん?」

近寄ってくる大きな人。
翳している傘も大きくて、私との間を遮る雨脚がどんどん少なくなっていった。
それは幕が一枚一枚開いていくようで。
心配そうに私を見るその整った顔立ちが、黒い瞳が、だんだんとハッキリ目に映っていく。

ぽつん

私の傘に大きな雫の落ちる音がして。
隔てる雨の幕も、なくなった。

「・・・・暖めて下さい。」



**********



「え?温めるの?いいよいいよ~」


私のありえない言葉に返ってきた応えは…

もっとありえないものだった。

……っていうか、軽っ!!

なんだか…貴島さんみたい……。


彼はニコニコとしながら、私の冷えた手を握った。

「冷たい…」

その手をグイッと引き寄せ、歩き出す。

繋がれた手の温かさが、なんだか心に沁みる。
ありえないシチュエーションにドキド…

「どこがイイ?」

え?

思考に更けていた私は、急の言葉に自然と足を止めた。
そんな私の方に彼は笑顔で振り返り、なおも質問を続ける。

「1、その辺のホテル
2、その辺の死角
3、その辺のカラオケ店
4、俺の部屋
5、君の部屋
―――どこにする?」

は?

待って、何の選択肢?
というか、2番のその辺の死角って……なんですか?

いつまでも黙っている私に痺れを切らしたのか、彼はまたニコリとしながら首をかしげた。

「どこでも…いいの?」

あ…すごく悪い顔してる……!

「あ…あの!つ、敦賀さんのお部屋で…!」

勢いで言ってしまった言葉に、自分が自分にビックリだ。


あれ……私、そもそも何をお願いしたんだっけ?


手を引かれまた歩き出す。

ああ…やっぱり手、温かいな…。


っていうか、私は敦賀さんのお部屋に何で向かってるんだっけ?

私はそんな根本的な事をグルグルと考えていた。

ふと彼が足を止めた。
瞳に映す風景は割りと見慣れた高級マンションのエントランスで。
彼は流れるようにカードキーでエレベーターを開け、私は促されるまま乗り込んだ。
そして、最上階へ。
何度もラブミー部の依頼でお邪魔しているあの部屋へと続く玄関を開けたところで、彼は私の手を離した。

ドンッ!

「つ…敦賀さん……?」

彼が急に壁に手をつき、私を捕らえた。

「俺、割りと君のこと…好きだよ……?」

そう言うなり彼の顔が近付いて来る。
世の女性達を虜にする美貌が嗤いながら、ゆっくりと…

もう少しで……


―――――――ぎゃーーー!!!なんて妄想しているのよ!私。


本日放送された今シーズンのドラマのエンディングを聞きながら、私はコタツに平伏し頭を抱えた。
そのエンディングに映っているのは、主役だけど序盤はかなり…いや、超!軽いオトコ、を演じる…敦賀さん。
毎週このドラマを楽しみにしていた私は一人、自分の部屋でコタツに足を突っ込みお茶を片手に観出したのだ。
物語が進んでくるにしたがって次第に惹き込まれてしまう。

雨の中、勇気を振り絞るヒロインのワンシーンから、そのまま妄想トリップしてしまった私は…
ヒロインと自分を重ねてストーリーを追い、だんだんとドラマと妄想の区別もつかなくなっていき、
もう少しで彼の唇が…!ってところで『待て!次週』と相成った。

私は暫らく悶絶した後やっと冷静になり、重い溜め息を吐いた。

たとえ敦賀さんにあの状況であの言葉を投げかけても、相手が私じゃ…いや、多分誰だろうともあんな展開はありえない。
きっと一蹴されるか、心配されて社さん呼ばれるか、の二択…かな?



そんなふうに思っていたからだろうか。



昼なのに薄暗い雨の中、
「どうしたの?」
不思議そうにキョーコに声をかけたのは、蓮。

キョーコは、はたと、足を止めます。
なんとなくロケ先を訊ねたものの、何か用事があったわけではありません。
・・・ただ、姿を見たかっただけ。
・・・そんなこと、言えないのに。
「最上さん?」
近寄ってくる大きな人。
翳している傘も大きくて、キョーコとの間を遮る雨脚がどんどん少なくなります。それは幕が一枚一枚開いていくようで。
心配そうにキョーコを見るその整った顔立ちが、黒い瞳が、だんだんとハッキリ目に映ります。

ぽつん

キョーコの傘に大きな雫の落ちる音がして。
隔てる雨の幕もありません。

「・・・・暖めて下さい。」



ある日訪れた彼のロケ現場で、あのドラマのシーンを再現したような……

デジャヴのようなこのシチュエーションに、

敦賀さんは『一蹴する』のか、『社さんを呼ぶ』のか、どちらを選択するんだろう。

そう思ったから、私はわざと…この言葉を口にしたんだ。




web拍手 by FC2

2014.11.13 Thu l GIFT l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://kazetorinomawarimich.blog.fc2.com/tb.php/145-5c632132
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。