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なんか…年下の蓮さんのはずだったのに、完全に久遠さんになってきてしまいました(泣)
多分、今後はもっと久遠さんになっていく…かも(^_^;)








眩しい…

強烈な日差しが瞼(まぶた)を通過して俺に存在を主張している。

俺は手でそれを遮るようにしながら、ゆっくりと目を開けた。

映ったのはレース生地の薄いカーテンから零れるさんさんとした太陽の光。
それがピンポイントで俺に攻撃をしていたようだ。

自分の部屋の物ではない、可愛らしい感じのカーテン。母さん好みのものだ。
ああ、そうだった。俺は日本にいるんだった。

未だ時差ボケで重い頭を持ち上げてベッドの端に座り、はあ…と息を吐いた。


今日一日、なにをしようか。


暇を持て余した俺は外へ出た。
お隣を見れば玄関先を掃き掃除している女の子。昨日のあの子だ。

「昨日の覗き魔さん」

目が合った彼女に声を掛ける。

「ちょっ…!覗いてない!」

「着物着てる…。ここの仲居さん?」

昨日とは違い、こざっぱりとした和服をサラッと着こなしている。

「……人の話くらい聞きなさいよ」

口を尖らせる様子がなんだか可愛いな…。

「ねえ、この辺にコンビニとかない?」

「………………」

「nutritional supplement…こっちでは何て言うんだ?
食べやすくて手軽に栄養が摂れるものが置いてある所なら、どこでもいいんだけど」

「へ?なんで?」

「だって、一応なんか腹に入れとかないと」

「はあ?どういう意味?」

「?」

「まさか、それがご飯代わりとかじゃ…ないでしょ?」

「え?立派な食事、だろ?」

竹箒が彼女の手から離れ、カランと音を立てた。

「なるわけないでしょう?!
食事はねえ、ちゃんと…」

「なんでもいいよ」

言葉を遮る。

面倒くさい、もういいや。

俺は踵を返した。

「あ…ちょっと……」

後ろから聞こえた声を無視し、家の中へと足を踏み入れた。



太陽に位置が真上から傾き、長閑(のどか)な風が窓から入って来た時だった。

ピンポーン

室内にインターフォンの甲高い音が鳴り響いた。

誰だ?この家は留守。常に留守。
俺は無視をきめこむ。

ピンポーン

2回目。
まあいいや、次鳴ったら―――

ピンポーン

…チッ、鳴るのかよ。

仕方なく玄関へと歩き出した。
そして、不機嫌を演出しながらドアを乱暴に開けた。

「――誰?」

「きゃっ!?」

俺の声と同時に可愛らしい声が聞こえた。

「おっと…」

ドアを避けて転びそうになっているところに手を伸ばし腕を掴んで、寸ででその流れを止める。

細い腕だな…。

その持ち主は今日俺に説教をした女の子だった。
彼女は片手に持った袋を前に差し出し、おもむろに言った。

「食事、ちゃんとしたの…食べるわよ」

は?

「キッチン借りたいから、お邪魔しても…いい?」

スーパーの銘が打たれた袋の中には、食材がいくつか入っている。

「………いらない」

俺は掴んでいた腕を離し、ドアを閉めるべく身体を引いた。

「いらない、じゃないの。どうせまともな物なんて食べてないんでしょ?
私もお腹空いてるんだから、あなたの分はついでよ。ついで」

ドアを掴みググっと身体を寄せて、彼女は強引に中へと入って来た。


おい…嘘だろう?
せっかくはるばる日本まで、食事地獄から逃げて来たというのに……。

そういえば、機内食を最後にまだ日本に来てまともに食べてない事を思い出した。

まあ、いいか。
早く食って、早く帰ってもらうのが得策か。

俺は勝手に家の中に入って行ってしまった彼女を追った。
そして、キッチンはどこだと言う彼女を案内して、俺はリビングのソファで寝転んだ。

暫らくしてから目の前に広げられた食事に目を剥いた。

良い匂い。見目も良い。
でも、量が多すぎやしないか?

食事が苦行の俺にとって、多分普通量なのだろうこの量は耐え難い試練に思えた。

恐る恐る一口を口の中に放り込む。

「……………美味しい」

「良かった」

そう言って彼女がフワリと笑った。

料理人が作ったと言っても過言ではないというくらい美味しいのに、優しい味付けで。
でも、どこか素朴で。

今まで食べる物にはまるで無頓着だったから、どう表現していいのか分からないけど…。

本当に美味しいと思った。





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2014.12.09 Tue l 年下 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

餌付け初日〜
多少強引でも成功してヨカッタですね。

しかし、キョコさん。

乙女の自覚はゼロですね。ま、年下だからかもですが。Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
2014.12.09 Tue l まじーん. URL l 編集
まじーん様
コメントありがとうございます♪

魔人様、もしかして私の公開前のお話を見てらっしゃいます?って疑いたくなるくらい、いつもドキっとしちゃいます。
こう…展開をよまれてしまったり、次の話のキーワードをサラッと言ってしまったり。

本当、鋭くていらっしゃるから…毎回コメント楽しませて頂いてます!
今回もサラッと…サラッとね?書かれてて、ビビリました(笑)
2014.12.11 Thu l 風鳥. URL l 編集

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