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さて、そろそろ皆様も蓮さん(久遠さん)のお年の予想がついてきた頃かな~と思います。
そこで、この『年下 5』の最後に、今日から1月7日までの間、『蓮さん(久遠さん)の歳』を予想投票をします。
私の中ではもちろん、蓮さんのお年は決定済みですが…
今までのお話の中の彼で、皆様が何歳くらいかな?と予想しているのか!

投票は本編を読み終わったその下に設置致しました。
お一人様一回の投票設定となっております。

ぜひ、ポチッとしてみて下さいね♪
では、本編『年下 5』を、どうぞ。










どうしてこんなにもジメジメとした空気なんだろう。
気温はそうでもないはずなのに、すごく暑く感じる。

俺は窓を開け、恵みの雨で活き活きとした家の前の芝生を見た。

外に出たい。
確かこの近くに、鬱蒼と茂った木々と小さな小川が流れる自然豊かな場所があったはずだ。
そういう所でのんびりと過ごす為に来たはずなのに…
なんなんだ、梅雨って。

梅雨前線の原理を頭に浮かべながら、俺は窓を閉めた。

いつもは気にならない秒針の音が、今日はやけに大きく感じる。
ソファに寝そべり、時計を見た。

いつもならあの子が来る時間だ。

映画か…。何を観るのかな。
そういえば、今ちょうど父さん主演のあの映画が世界各国で同時上映されてたっけ。
日本でもやってるんだろうな。

そんな事を考えている時だった。チャイムが鳴ったのは。

あれ?彼女以外がこの家のチャイムを鳴らすのは初めてだ。
俺は恐る恐るドアを開けた。

「!!」

目の前に現れた人を見て目を剥いた。

そこにいたのは、いつもの彼女っぽい人。

ニコリと微笑む表情はいつもの彼女だ。
だが、腫れた瞼(まぶた)が、なんとなく態度が、明らかにいつもと違う。

彼女は驚く俺に無言で持っていた傘を渡し、サクサクと中へ入って行ってしまった。


………なにコレ。

今日は彼氏とデートのはずだった → ここにいる
明らかに泣いた跡がある → 彼氏と何かあった(?)

俺…どうすればいいの?

詳細を聞きながら、優しく慰めるべき?
それとも、空気を読んで何も触れずにそっとしておくべき?

面倒くささ満天のこの状況に、俺は天を仰ぎながら彼女の後を追った。


彼女が向かった先はいつものキッチンじゃなく、俺が常に占領しているソファ。
そこにドカッと腰を下ろし、手に持つビニール袋から缶を出した。

「お酒好き?」

「は?」

「飲むよ」

「はあ?」

缶ビールを強引に手渡された。

「ちょっと待って…飲めるの?」

「へ?そりゃあ…飲めるでしょう?
まあ、得意ってわけじゃないし、常習化するほど飲むわけじゃないけど」

「へ、へぇ。そう…」

あれ?日本の飲酒はいくつからOKだったんだっけ?
………ああ、そうか。
日本にもMDA(最低飲酒年齢)とMPA(最低購入年齢)があるんだ。

「今日は付き合って」

缶のプルタブを引き上げ、乾杯するべく俺の方に向かって缶を掲げる。
俺は手に持つ缶を彼女のそれに静かに合わせた。

グビグビと飲む彼女。
いい飲みっぷり。相当荒れているようだ。

俺は彼女の正面にある一人掛けのソファの一つに座り、プルタブを引き上げた。

「どんどん飲んでいいよ。いっぱい買って来たから」

ガサゴソと袋を漁る。

「はい、おつまみ」

テーブルに幾つかのおつまみが置かれた。

「そんなに飲んで大丈夫?仕事とかあるんじゃないの?」

「ああ、大丈夫。今日は女将さんが映画の為に一日お休みをくれた…から……」

陽気だった彼女の声はだんだん尻すぼみとなり、表情も曇る。

「ねえ、あなたさ…。どうして日本に来たの?
ジュリエナさんと離れてまで……」

「ああ…え~と……………」

それはもちろん、食事地獄から逃げるため…なんて、言える訳がない。

「離れていても、繋がってるの?……心、とか」

答えあぐねていると、

「……羨ましい」

彼女はポツリと呟いた。

「ショーちゃんは私の幼馴染みなんだ。預けられた先の同い年の王子様。
老舗旅館の一人息子なのにそれが窮屈みたいで、今は家を出て一人暮らししてるって言ってた」

酒のせいか、いつもは多く語らない彼女が饒舌だ。

「今日ね、約束の場所にショーちゃん、来なかったの」

ハハハ…と乾いた笑みが痛々しい。

「電話したら、何でお前とわざわざ映画なんか行かなきゃなんねーんだって…。
バッカじゃねーの?なんてヒドイよね~、約束した事も忘れて。まあ、いつもの事なんだけど…」

黙って彼女の続ける話に耳を傾ける。

「………ショーちゃんの声の後ろに、女の人の声がした…」

彼女は横を向いて、耐えるように口を引き結んでいる。

俺はおもむろに立ち上がると、彼女の持つ缶を奪いテーブルに置いた。
そして、今にも泣きそうな表情の彼女の腕を取り、立たせるように引っ張り上げた。

「行くよ」

「え?」

「映画。俺、見たいやつがあるんだ」

「へ?」

「ほら」

俺は彼女の手を握り、傘を一つだけ持って強引に外へと連れ出した。













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2014.12.23 Tue l 年下 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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