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どうしよう…どこで切るべきか。それとも無謀にもキリの良いところまで…いやいや、まだ先過ぎて…(泣)
という葛藤をしておりました。
そして、キリどころがわからなかったので、今回…ここ!?ってところで切れてます。









俺は何を言ってるのだろう。

「はあ…」

今日は連日が嘘のような快晴だというのに、俺は雨雲の如く陰気臭い溜め息をもう何度もついている。

彼女は既に『松乃園』で若女将になるべく頑張っていた。
大好きだというあの幼馴染みの為に。来年結婚することを夢みて。
だが、その男は他に女をつくるどころか、妻や子供までいたんだ。
それは混乱するだろう。
間違いなく今日、彼女にとって人生最大レベルの決断を下すことになる。

言うに事欠いて『うんと慰めてあげる』って…

「俺って…こんなヤツだったっけ……」

人の女ほど面倒くさいものはないと思っていたのに…。

でも、しょうがない…。すごく、楽しかったのだから。
狼狽える彼女と手を繋ぎ、雨の中タクシーに飛び乗った事も。
目をキラキラさせながら父が立ちまわる映像を見ていた彼女も。
ハンバーグを頬張る姿も。
アイツが現れるまで、すごく楽しかった。

だから…

いや、本当はわかっている。
その前から、彼女が可愛いと思っていた。

時折見せる、はにかんだような笑顔も。
ついでと称して俺に毎日飯を作ってくれる優しいところも。
俺のしょうもない嘘に簡単に騙されてしまうところも……

「ふっ…」

昨日の夜のことを思い出し思わず吹き出した。

彼女がここを出た瞬間に悲鳴が聞こえ、俺は驚いて玄関前にいる彼女の所へと急ぎはせ参じた。
何事かと周囲を見ても、真っ赤な顔をした彼女のみで。
どうしたのか聞くと、口を両手で押さえながらモゴモゴと「キス…キスを…!」と言っている。
だからキスをねだられたのかと思い屈んだら、「破廉恥っ」と逃げて行ってしまった。

破廉恥……?彼女は確か23歳、だったよな。キスくらいで…。
しかも、反応が玄関を出た後って…。

彼女は本当に面白すぎる。



今日、もし来てくれたら…

うんと優しく慰めよう。そして、俺の事を全て話そう。


大丈夫、彼女はバカな決断をするような人じゃない。
たとえアイツの事が、王子様とのたまっていたほど好きな相手だったとしても。
直接顔を合わせて会話したからって………

いや、待てよ。
俺の嘘にコロッと騙される彼女だぞ?
王子様に口先だけの甘いこと言われたら………

「はあ…」

ダメだ。
妄想の中の彼女が脱がされていた。
無いだろ、無い無い。
「キョーコ」とか優しく耳元で囁かれている眼の裏の映像を、必死で首を振りながら打ち消す。

もう考えるのは止めよう。
答えが出るまでまだ暫らく掛かるだろう。
俺は現実から目を背きたい一心で無理やり瞳を閉じた。





『起きて…?』

焦がれた声に起き上がると、そこにははにかむ彼女がいた。

あれ?もう仕事終わったの?
いや、俺の所に来てくれた。ってことは、アイツと別れ――…

『ごめんね…?』

え?

『私、やっぱり』

いつの間に来たのか、彼女の隣りにはアイツがいる。

『ショーちゃんのこと…』

…嘘だろ?
だってそいつは君を騙してたんだろ?

『うん、でも』

でも…?

『あなただって嘘つきじゃない』

――――!

声にならない叫び声をあげるが彼女には届かない。

「待って!!」


目を開けると、そこはいつものリビングだった。
つけっぱなしのテレビに完備された空調、飲み残したペットボトルの水、そして……

「あ、起きた?なんかうなされてたけど、悪い夢でも見てた?」

―――彼女だ…。
良かった、アイツんとこ行かなくて…。

俺は心配して覗き込む彼女の腕を掴んで抱き寄せた。
柔らかくて程々の重みがあって、極上の……

「ちょっ!なに寝ボケてるの!起きて…!」

小さな抵抗とその言葉に、働く気のなかった脳みそがやっと起動を始めた。

「…あれ?」

「ちゃんと起きた?」

「……起きた、と思う…」

彼女を離し、上半身を起こす。

「…今、何時?」

「10時前。正確には午後9時50分くらい?」

「君、帰って来たの?」

「帰って来ちゃ悪かった?」

「アイツは!?話し合いは!?」

余裕なく詰め寄る。

「ちゃんと話したよ」

ゴクリと俺の喉が鳴った。

「ショーちゃんね、結婚…してなかった」

「は?」

「子供はショーちゃんの子なんだけど…。
祥子さん…ショーちゃんの子のママさんに老舗旅館の女将は無理だからって」

いまいち状況がよく飲み込めない。

「ショーちゃんも戻るつもりはないみたい。
でも、一人息子だから…」

彼女が小さく微笑んだ。

「来年には私と入籍して若女将としていて欲しいんだって」

「……つまり?」

「私は来年入籍して若女将。ショーちゃんは今と変わらず、家族と過ごす」

「なんだそれ」

「跡取りは必要だから、私もたまには妻として相手してやるよ…って言われた」

彼女の言葉は穏やかだった。

「…………まさか、そんなバカな話を承諾なんか…」

してないだろ?そう、強く聞きたいのに声が喉に引っ掛かっかり、俺の言葉は尻窄みになった。



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2015.02.03 Tue l 年下 l コメント (10) トラックバック (0) l top

コメント

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2015.02.03 Tue l . l 編集
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2015.02.04 Wed l . l 編集
ふふふ
ショタロー見事に自分に都合の良い提案ですねー!!

ま、女将を継ぐまではいいとして。←あくまでも『松乃園』の両親の為だけ

他は・・・・ね?
キョコさんがなんと答えてきたのか。

楽しみにしてまーす。
2015.02.05 Thu l 魔人. URL l 編集
C 様
コメントありがとうございます♪

進みが遅くて書いてる私の方が心折れそうなところに嬉しいお言葉、ありがとうございます!
予定では彼の年齢の公開や『慰め』も終わってる予定なのに…。
というか…すぐそこにあの方の誕生日やバレンタインが…!ガクブル
2015.02.05 Thu l 風鳥. URL l 編集
M 様
コメントありがとうございます♪

ウフフ…実は『承諾』『非承諾』どちらに転んでも行けるんですよね。
一応もうこの後の展開はあるんですが…読み手様の皆様はどちらの方が良いのでしょうね(*^_^*)

そして、そう言って頂けると本当に嬉しいです!
ヤル気の源、ありがとうございます♪
2015.02.05 Thu l 風鳥. URL l 編集
まっじーん様
コメントいつもありがとうございます♪

ショータローの考えそうな事ですよね、自分本位の考え。

お話がなかなか進まず…
魔人様の自動書記システムが、喉から手が出るほど欲しい今日このごろです(-_-)
どっかに売ってないかな…あったら言い値で買います!
2015.02.05 Thu l 風鳥. URL l 編集
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2015.02.05 Thu l . l 編集
Yちゃん 様
コメントありがとうございます♪

わ!なんと嬉しいお言葉。
ヒドイ久遠さんだったり手の早すぎる蓮さんだったり、ヘタレっぷりの凄まじい彼ばかりの我が家に…ありがとうございます!
しっかりヤル気をチャージさせて頂きました♪

『年下』もう少し続くので、どうぞお付き合い下さい。
2015.02.06 Fri l 風鳥. URL l 編集
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2015.02.08 Sun l . l 編集
N 様
コメントありがとうございます♪

そうですよね。祥子さんの立場って…。
なんとも傍若無人でヒドイ男ですね、ショータロー。

承諾・非承諾、どちらに転んでももちろん蓮さんは…おっと、アブナイ。
もう少しお付き合い下さいね♪
2015.02.09 Mon l 風鳥. URL l 編集

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