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揺れるベッドと小さなリップ音、そして微かに触れた頬への感触が、私の意識を浮上させた。


彼がジーパンを穿いて、物音をたてないよう気遣わしげに部屋を出て行った。
それにつられて重い瞼を上げる。

………あれ?ここ、どこだっけ?

私は鈍く痛む身体をお越し、暗い室内を見渡した。

――!!
そうだった。私…彼と……!!

パニックを起こしている私の耳に、微かに近未来的な「ピロリンポロリン』と機械音が聞こえた。

何の音?

私は下に散らばった服を素早く身に着ける。
そして、裸足でひたひたと音の方へと進もうとすると、その音は止んでしまった。

リビングの明かりが見える。

近付くにつれそこから話し声が聞こえてきた。
声は彼一人…ではなく、どうやらパソコンと相対しながら会話している。

『まだ帰らないよリック』

立ち聞きなんてまずいかな…?

『予定じゃもう帰ってるはずだろ?』

『まあ、確かに予定より長いけど…。日本(こっち)にはギリギリまでいようと思ってる。
学校が始まる前にはそっちに帰るから』

―――え?学校?

『ティナの友達、覚えてるか?休み前に行ったイベントで…』

『…ああ、いたね。顔まで覚えてないけど』

『お前と付き合いたいって』

『へー』

『どうする?』

『断る』

『早っ!来る者は拒まず去る者は追わずのお前が断るって珍し!
この間別れてなかったっけ?』

『いま間に合ってる。…彼女できた』

『え、誰?俺の知ってる子?』

『年上のお姉さん』

彼のその言葉に、私の息がヒュッと詰まった。

そうだ…
なんで忘れていたんだろう。

彼は、ジュリエナさんの愛人…じゃない。

『ああ、お姉さんに甘えたいとか?』

『いや、お姉さんを叱りたい』

『それなんのプレイだよ』

『ハハッ…いいだろ?』

『日本(そっち)のお姉さん?』

『まあね』

――え?
日本(こっち)に住んでる彼女?
ジュリエナさんはアメリカ(あっち)でしょう?

どういう事だろうか。意味がわからない。

『じゃあ帰って来るまでの彼女?』

『………』

『遊びならほどほどにしとけよ?』

『………そうだな』


『じゃ、またそのうちSkypeするよ』

『ああ』

会話が終わり、彼が立つ。
私は足を動かすこともできず、混乱する頭を抱えその場に立ち尽くしていた。

「――キョーコ…!」

ドアの前の私に息を呑む彼。

暫しの沈黙を破り、私は一番難解な疑問を言葉にした。

「あなたの言う『彼女』は…誰?」

「もちろん…キョーコだよ」

「じゃあ、ジュリエナさんは?」

「あのヒトは…彼女じゃない……」

「じゃあ、何?」

「…………母親、だよ」

「……は?」

「クー・ヒズリは俺の父で、ジュリエナ・ヒズリは俺の母。
俺の名前は久遠・ヒズリ」

「そんなわけ…ないでしょ?確か息子さんは、金髪碧眼の天使のような…」

彼はおもむろにコンタクトを外した。
現れたのは綺麗な碧色。

「……だって、息子さんはこんな大きくない!まだ小さな子供…」

「それ、いつの話してるの?」

「いつって、5~6年前に見掛けた時にまだこんな小さな……あ」

「数年も経ったら成長するって生物の根本的なこと、頭から丸々抜け落ちてない?
ちなみに、俺前回ここに来たの7年前」

「え…てことは、いま…何歳?」

「………16」

「……今、なんて?」

「……16歳って言った」

「じゅう…ろく、歳…!?」

「嘘…でしょ?」

「嘘はもう何もないよ」

16歳ってなに?高校生?
今どきの高校生ってこんななの?

っていうか、やばい。ちょっと待って…もしかして、これ『犯罪』じゃない?
なんとか条例に引っ掛かるんじゃない?


あはは…

私は乾いた笑みとともに肩をガックリと落とした。


『遊びならほどほどにしとけよ?』
『………そうだな』

そんな彼等の会話を思い出す。

「好き」とか「可愛い」とか、そんなリップ・サービスの言葉に踊らされた自分が可笑しくなった。
それらはみんな、ベッドを共にする時のマナーではないか。



現実に戻ろう。


私はこれからの仕事や生活のことを考えなくてはいけないんだ。
高校生のお遊びに、付き合ってはいられない。


私は足早に自分の鞄を取り、靴を持った。

そして、何か言おうとしている彼を笑顔でかわし、その場をあとにした。





遅くなりましたが、蓮さん(久遠さん)のお歳……16歳でした~♪
皆様の予想は当たっておりましたでしょうか(*^_^*)



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2015.02.17 Tue l 年下 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

キョコさんたら。
騙されただけじゃなく、親が訴えれば犯罪者になっちゃいますものねー。

ちゃんと付き合おうじゃなく、絶対に付き合えない相手。

大きな仔犬にかまれた彼女の未来は如何にー!

2015.02.17 Tue l 魔人sei. URL l 編集
魔人様
コメントありがとうございます♪

大きな仔犬のたちの悪さをこの後存分に味わう羽目になりそうですね(*^_^*)
逃げたキョーコさんを一緒に応援しましょう♪
2015.02.18 Wed l 風鳥. URL l 編集

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