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蓮さんsideのお話にしました。
本当は出会い~好きになった過程も含めたストカ蓮さんを書いてました。が、青春な話とは程遠いので…カット!!








君は知らないだろう?

成績上位表に隣り合う、君と俺の名前。

ただその為だけに、この位置を死守していることを。



【同級生 三限目】



貼り出されたばかりの成績上位表。
その前でワナワナと震えながら目の前の紙をガン見している女の子。
それをチラリと見て、俺は屋上へと続く廊下を歩き出した。

もうすぐ口にできるだろう言葉に胸を弾ませ、ゆっくりと屋上の扉を開けた。




「俺の彼女になって?」

敢えて「付き合って」とは言わなかった。
彼女の事だから、「いいよ」とあっさり言って俺を上げた後、「どこに?」なんて言いながら笑顔で底まで突き落とすとわかっている。

数秒経っても理解できずポカンとしている最上さんにもう一度繰り返した。

「俺の彼女になって欲しい」

「………か、のじょ…って?」

予想もしてなかっただろう単語を出せば、こちらの予想通りの反応で。
彼女がわかるように、それを日本語の他、英語・フランス語・ロシア語・韓国語・スペイン語と言い変えてみる。

「無理!」

意味を理解すれば、この答えが返ってくる事も想定済み。

「……なんでも一つ、言うこときいてくれるんだろう?」

「え゛……」

穏やかな笑みは絶やさずに。

「約束」

背中を撫でるように冷たくも優しい口調で。

「守って、くれるよね?」

こんなふうに、震える彼女を追い詰める。

そんな日を待っていた。


こんなに思い通りに行くなんて…と内心ほくそ笑んでいた俺に、彼女はひと睨みしたあと指を指し、

「期末で私が勝ったら、別れて!」

と、提案をしてきた。

―――だから彼女は面白いんだ。
ただ追い詰められるだけの女と違う彼女にまた、口角が上がる。

「――勝てたら、ね?」

そんなこと言われたら、

―――勝たせるわけないだろう?



「……ま、何はともあれ俺達は恋人同士だ。
よろしくね?キョーコ」

ずっと呼んでみたいと思っていた名前を口にすれば、当の彼女はピキリと固まり、顔には「へ?」と書いてある。
そんな彼女の口から抗議の言葉が出ないうちに、俺の腕にすっぽりと入ってしまう小さな身体を抱き締めた。

途端に漂う彼女の香り。
それを胸いっぱいに吸い込んで、痴漢や変質者にならない、この行為を許される立場になったと思うと胸が熱くなる。

俺の腕からすり抜け逃げる彼女を見ながら、俺はこれからの彼女を思うと嗤いが止まらなかった。


まず、俺との今の出来事を反芻する。
そして、彼女はきっと冷静になった頃、何かの間違いか冗談、もしくは夢だったと考えるだろう。

俺は授業が終わるのを待って、彼女のクラスへと急いだ。

「一緒に帰ろう?」

冗談や夢になどさせるつもりはない。

「だって……冗談だったんじゃ…」

ほらやっぱり…。
そんな思い通りには行くわけないだろう?

「良かった、迎えに来て。
どうせそんな考えに至るんだろうって、予想はしてたんだ」

さあ他人(あだびと)、彼女の所有権が誰にあるか、よく見てて。

「つ…敦賀くん、あの…」

「蓮。
彼女なんだから、蓮って呼んで」

みるみるうちに赤くなる顔が可愛らしい。
俺は彼女の指に俺の指を絡め、もっと俺を男だと意識させる為に握り締めた。

「行こう」

そして、ざわつく教室から彼女を連れ出した。




「あの…敦賀くん」

振り返れば俺に手を引かれた彼女が上目遣いで見上げている。

「ん?なに?」

「そ…そろそろ……手を…」

彼女の視線は恋人繋ぎとなっている俺達の手に落とされる。

「ダメ」

繋がれた手を持ち上げ、俺は更にきつくその手を握った。

「いいだろ?恋人同士なんだし」

俺はニコリと微笑んだ。



頑なに拒否する彼女を宥めすかし、彼女の家まで送った。

「……送ってくれて、ありがと」

別れ際に彼女の口から漏れた小さな小さな声。
俯き気味の顔からはほのかに赤い顔が窺える。


―――これは、マズイ…。


「いや、また明日」

俺はそれだけを言うと、理性という名の細い糸が切れないように踵を返し歩き出した。
その糸は、蜘蛛の糸が如く細そうだ。

帰り道、大きく零れる息。
その後で今日の彼女を思い出し、思わず吹き出してしまった俺を、通りすがりの中学生が怪訝そうな顔で見ていた。



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2015.05.28 Thu l 同級生 l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

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2015.05.28 Thu l . l 編集
N 様
コメントありがとうございます♪

いやいや、本当に高校生なくせに「え……」というようなストカが出来上がってしまいまして…(^_^;)
一話にするにはイマイチなので、もし修正する気力が持てましたら本館『風鳥のさんぽ道』で小話としてUPもあるかもしれません。………無いかな?

2015.05.29 Fri l 風鳥. URL l 編集
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2015.05.30 Sat l . l 編集
Y 様
こんにちは☆コメントありがとうございます♪

………え?そんな流れが…?
どうでしょうか、なんせ青春ものは難しく(泣)

でも、この後のお話もすこーしだけ考えてあるので、UPできたらいいな~と思ってます♪
2015.06.02 Tue l 風鳥. URL l 編集

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