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同級生~六限目~の後編です。
こちらは前編をご覧になってからどうぞ♪








久し振りのカラオケは大いに盛り上がった。

「もうすぐ9時よ?マズイんじゃないの?」

今朝の遣り取りを一部始終見ていたクラスメートが、はしゃぐ私の肩を叩く。
マナーモードにしておいたケータイを見れば、ズラリと並ぶ彼の着信履歴。
それを見て、私は自然に溜め息を漏らした。

「―――ゴメン、モー子さん。帰ろっか……」

モー子さんは優しい微笑みで返事をしてくれた。



モー子さんと別れ、一人、家路を急ぐ。
空はとうに暗く、駅から離れると急に人も疎(まば)らになる。
家に着くのはきっと9時を過ぎるだろう。

「はあ…」

なんとなくまた、溜め息が零れる。
ふと、コンビニに目をやると、少し柄の悪い男の子たちがたむろしていた。

なんか…私を見ている気がする。
嫌だな……。

コンビニを通り過ぎた時、彼等が立ち上がった。

すると、ケータイが急に振動した。
着信だ。

「も…もしもしっ」

「俺だけど…今、どこ?
どうしても気になっちゃって……」

いつもと違い、覇気のない声。
でも、今、一番聞きたかった声だった。

「駅を降りてちょっと行ったとこのコンビニ。公園の近くの」

「そう…ちょうど俺も近くに「敦賀くん」

「ん?どうしたの?」

「あの…なんか、怖い人達が付いて来てる気がする」

「キョーコ、一人?」

「うん」

後ろの足音が真後ろまで迫って来た。

「待ってて」

「えっ、ちょっ…」

通話が切れてしまった。
そして、それを待ち構えていたかのように、肩を叩かれる。
振り返れば、いかにも悪そうな男が私の肩に手を置いていた。

「ねえ、何やってんの?」

「…家に、帰るところです」

「まだ早いじゃん。遊び行こうよー」

「いえ、急いでるので」

ニヤリとする男の手から逃げようとすると、反対側からもう一人が言った。

「冷たいなぁ。でもオレ、そういう子、けっこう好き~」

男に腕を掴まれる。
逃げようと腕を振り払い身体を捻ったが、男の仲間たちに囲まれてしまっていた。

「乱暴したりしないからさ~。オレたち優しくするよ~」

ニヤニヤと身体を物色する彼等。

気持ち悪い……。

「キョーコ」

低い声が響いた。
その声に一斉に男たちが振り向く。

「なんだ?テメェ」

ドスのきいた声など気にもせず、彼は私に向かい一直線に歩み寄り、目の前で立ち止まる。
そして、彼等から強引に私をひっぺがし、腕を掴んだまま「帰るぞ」と言った。
もちろん彼等はそれに逆上する。

「シカトしてんじゃねーぞ!」

そんな言葉でとうとう始まってしまった。

彼を後ろから殴ろうとする男の拳を紙一重で躱すと、反対方向からの蹴りを余裕で流す。
流したその足が殴ろうとしていた男の顔面にヒット。
残りの数人が束になってかかっても、彼は全て表情も変えず避けていた。
いつまでも当たらない攻撃に、彼等は次第に息が上がり、「チッ」と舌打ちして私達を置いて離れて行った。

「………なんだ、もうお終いか…」

逃げた彼等を見送った敦賀くんはそう呟いたあと、振り返った。
まるで授業で体育をし終わった時のように爽やかな顔をしている。
そして、向かい合う私の手をとり、心配そうに覗き込んだ。

「怪我は、ない?」

あれ…?
いつもは意地悪で腹黒い、超ドSな彼が……

王子様みたいに見える。

「遅い時間に外出するのはやめて。
避けられないなら、帰りは俺を呼んで」

「……うん」

「スカートも膝下5センチにしなくてもいいから、足の出しすぎは勘弁して」

「うん」

「………どうしたの?やけに素直だね」

「……うん」

私が繰り返す言葉に、彼は眉尻を下げ目を細めた。

「…他にもいろいろ言いたいけど、キリがないからやめておくよ」

「例えばどんな?」

「猫のように柔らかいその髪の毛もとか、プリッとした唇とか、キラキラした瞳とか……」

は?

「触り心地の良さそうな肌とか、華奢だけどスラっとしなやかな体躯とか……」

ま…まだあるの?

「あと、誰にでも眩しい笑顔を向けるのに、俺にはそれを許してくれないのとかが……嫌だ」

―――確かに、彼の前では私…いつも怒っていたりしてた、かも。

外見にも恵まれ、何でも器用にこなしてしまう彼が、まるで仔犬のように見える。

「もうちょっと、キョーコのその可愛さを隠してくれないと……俺の心臓がもたないよ」

彼があまりにも大真面目な顔で言うから、思わず笑ってしまった。

いったい、彼の目にはどんな分厚いフィルターが掛かっているのだろう。

「また、私のピンチには助けてくれる?」

「当たり前だろう?――君は、俺のなんだから」



しょうがない、

明日の学校も……敦賀くんに渡されたスカートを穿いて行こう、かな。




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2015.06.09 Tue l 同級生 l コメント (6) トラックバック (0) l top

コメント

あせりましたー
風鳥さま
いきなり6限目のタイトルをみて、一体どこで4・5限目を見落としたのか??自分のばかー。。。と絶叫して急ぎ訪問させて頂いき。。。エ?。。4・5限目は後日? でも、かなり可愛いキョーコちゃんがいて、なごんでしまいました。私の高校では、週2回7限目がありましたが、ぜひ、このおなしは、月曜日の6限目ということで、火水木金を経て土曜日4限目まで、連載していただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
2015.06.09 Tue l . URL l 編集
キョコさんはツンツンから、ツンデレに移行?
いつもは言動が意地悪で腹黒い、超ドSな彼も、ついにわかりやすいデレデレ顔の少年になるのかしらん。

(* ̄m ̄*)


2015.06.09 Tue l まじーん. URL l 編集
Re: あせりましたー
コメントありがとうございます♪

ですよね~急に6限目じゃビックリしますよね…。二人の関係性が変わっていますし。

そして、月曜から土曜の授業数……『がっつり長編ですかっ』と一人叫んでしまいました♪
そ…そうですね……ご期待に沿いたい気持ちはあるのですが…青春ものってなにぶんハードルが高いもので(泣)
それで4・5限目が出来上がっていないという…。
でも、そう言って頂けるのは本当に嬉しいので、もしもっともっとお話の続きが降りてくるようなら、コメ主様の提案の『月・六限目』とか『木・二限目』とかの題名を頂きたいです!
2015.06.10 Wed l 風鳥. URL l 編集
まじーん様
コメントいつもありがとうございます♪

あ、本当だ。今まで気付きませんでしたが、今回のキョコさん…完全にツンデレですね(^_^;)
実はですね…このお話、本当は蓮キョではなくクオきょもしくは、尚キョの方が合うんですよね…。

今後の彼等はどこへ向かって行くんでしょうね~私の中にもアテが無くて……(-_-)

2015.06.10 Wed l 風鳥. URL l 編集
蓮キョでも素敵!
更新ありがとうございます

すみません 書いてたのが消えたので届いてしまっていたら消してくださいませ


ストーカーっぽい蓮様。これはこれで美味しゅうございますが?(笑)

蓮様の想いを口に出してキョコさんに伝えキョコさんのツンが溶けてデレ要素がでましたね。
やっと相思相愛?蓮様はきっとあんな事やこんな事をしたいんでしょうね?
まだ高校生ですからね!次回(7~)が楽しみですね

4.5の展開はどうなってるのでしょうか?やはり蓮様が
キョコさんを言いくるめて外堀埋め立て中でしょうか?
続き楽しみにお待ちしています
2015.06.10 Wed l ponkichibay. URL l 編集
ponkichibay様
コメントありがとうございます♪
そして、お返事が遅くなって申し訳ないです(^_^;)

そうですよね…ちょっと彼等の関係性が飛んじゃってるので、この間は?!って感じなんですよね~。
4・5の取り敢えずのおおまかな感じは考えてはあるんですが…着地点は全く考えて無くて。
どうしましょうね……(-_-)

でも、SSのはずだった『同級生』にこのようにコメント頂けて、ワタクシとっても嬉しいです!!
2015.06.15 Mon l 風鳥. URL l 編集

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