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その後、仕事に向かう途中に最上さんをだるま屋まで送った。

結局、彼女に「キョーコ」と呼んでいいかも、アイツへの気持ちも、聞くことが出来なかった。

情けないとは思う。
『抱かれたい男No.1』なんて…聞いて呆れる。
彼女の口からアイツの名前が出ただけで、このざまだ。

彼女の心が、いつか俺に向く日は来るだろうか…。



**********



とうとう致してしまった!

あの…敦賀さんと!

あの壮絶なまでの色気に…惑わされた様に事が進んでいて、いつの間にか……


……でも
幸せだった……


だるま屋に帰って一人、クッションを抱えゴロゴロする。

あの敦賀さんが…本当に私の恋人なんだと、初めて実感した。

緩む顔は止められず、笑みが勝手に漏れる。


まだ残る異物感と軋む体を労わりながら、でもその辛さもまた愛おしいと思う。
この日の仕事は、まさに頭の中がお花畑でこなしていた。


相手は多忙の人気俳優様。
そうそう毎日は会えない。
私も嬉しい事に、ドラマやバライティなどの仕事が増えそれなりに忙しい毎日を過ごしていた。


そんな中、一週間振りに敦賀さんと会える日になった。


私は完全に舞い上がっていたんだと思う。


マメな連絡に優しい声、彼と過ごせる関係。
どれもが非現実的なのだと…わかってなかった。

もちろん彼が天下の敦賀蓮だとは忘れようも無いが、私はただの最上キョーコなのだとすっかり失念していた。



いつもの様に、敦賀さんの仕事が終わるのを待ち、買い物をして、一緒にマンションへ行く。
調理した物を敦賀さんが「美味しい」と食べてくれると本当に嬉しい。

食事も終わり、二人で並んでソファに座り、コーヒーを啜る。

隣りに座る敦賀さんに、こっそりドキドキしたり、そんな些細な事で幸せを噛み締めていた。

正面のテレビに目をやれば歌番組のようだ。

するとふいに聞きしれた声が流れ、画面にはアイツがいっぱいに映し出された。

いつもなら敦賀さんの機嫌が底無しに悪くなる、アイツの映像や歌が流れればすかさず切り替えていたけど…
今日はそんな事も忘れ、ただ一点を見ながら考えていた。

先日まであんなに憎らしいと思っていたアイツの事を、今は感情に振り回されず見てられる。


不思議……


あんなヤツに(いろんな意味で)心を囚われたままだったなんて…
今となってはどうでもいい事だったんだな…と。

こんなに穏やかにショータローを見れる日が来るなんて…。

全ては敦賀さんのお陰だ。

そんな事を考えていたら、少し笑えた。


隣りで敦賀さんがどんな表情で私を見ていたかなんて、その時の私は知る由もなかった。



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2013.03.25 Mon l Wish l コメント (0) トラックバック (0) l top

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