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いつの間にか私は、昨日別れたはずの敦賀さんの部屋いた。

確かに昨日「別れましょう」と言ったはずなのに。
この何も無かったと言わんばかりの彼の言動。
別れを望んでいたのは彼で、その願いを叶えたのにこの状況が理解出来ずリビングのソファに座りながらグルグルと考えていた。


ラフな格好になった敦賀さんがドアから現れるのを見ながら、これからどんな会話が繰り出されるのか想像も出来ず恐怖を感じる。

恐れおののく自分と、すこぶる機嫌の良い敦賀さん。

そういえば、こんなご機嫌な敦賀さんは久し振りのような気がする。
やはり私から解放されたからこその機嫌なのかしら。
自分の考えにズキンと痛んだ胸をおさえる。


彼は柔らかな笑みをたたえて隣りに座ると、そのまま動作を止める事なく私の手をとり甲に口付けた。
流れる様な所作に私は何が起きたのかわからず、暫らくしてから狼狽える。

「な!…なに…を…!」

今の私の顔色は赤いのか青いのか、自分ではわからない。
彼は普段通り涼やかに、でも私の手は離さずにニコリとする。

「何って…恋人の手にキスをしただけだよ?」

「あの…私、昨日…」

「…そうだね。でも、俺は了承した覚えは無いよ。
付き合う時と同じ様に、別れる時もお互いの同意が必要だろう?
俺は最上さんと別れる気は無い」

敦賀さんは何を言っているのだろう。
別れたがっていたのは彼の方ではないか。
会えば仮面の笑顔と苦々しい表情。繰り返す謝罪。
優しくも残酷な彼が言い出せなかった言葉を、私が昨日どんな思いで絞り出したか。

私は敦賀さんの言葉の意図がわからず、彼を見つめたまま動けない。
そんな私のうなじに、彼の長い指が触れた。

「どうしても、君を離したくないんだ」

うなじを撫で耳の後ろの髪を弄んでいた手が下がり、腰を抱かれ彼の方に引き寄せられる。

「だから……
今、俺が出来る事をするよ」

抵抗の為に敦賀さんの懐に手をつくが、逃れようとする体を優しく抱き込まれ頤(おとがい)をすくわれた。
近い距離で彼と目が合う。
そしてゆっくり彼は私に口付けた。
啄むようなそれは次第に官能的なものに変わり、抵抗する事を忘れ思考が霧散していくのがわかった。

「外見も歌や声も、最上さんの望むものじゃない。お金や贈り物でもきっと君の心奪う事は出来ない。
なら……体しかないだろう?」

蕩ける様な濃厚な口付けの合間に囁かれた声に、体の奥から湧き出る何とも言えない感覚に流されて…
彼の言葉の内容まで、頭がまわらない。

「昨日はいいように翻弄されちゃったから、今日は……覚悟してね?」

見ればそこには夜の帝王の妖しい微笑み。
その雰囲気に「まずい」と思い、ソファから立ち上がり逃げようとする。
すかさずしなやかな腕が私の体を抱き簡単に捕まると、うなじにキスをした。

「君は俺とこういう事するの…嫌いじゃないでしょ?
昨日は最上さんから仕掛けてきたんだ」

フワリと身体が浮き、寝室のベッドに降ろされそのまま組み敷かれる。

「何で…こんな事…」

口付けるべく近づいてきた彼の顔から背け、混乱する思考を声にした。

「君が俺と別れたくても、俺は君が好きだから…
こうでもして、俺から逃れられない様に縛り付けてしまいたいんだ」

「そんな…」

その後の言葉は彼の荒々しい口付けによって紡ぐ事も出来ず…

後はもう激しく執拗に繰り広げられる愛撫と、彼の逞しく激甚な抽送が私を堕としていった。



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2013.04.15 Mon l Wish l コメント (0) トラックバック (0) l top

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