上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

--.--.-- -- l スポンサー広告 l top

彼とのお付き合いは順調だと思っていた。


会社員だと言っていた彼は仕事が終わるのが不規則で、会う時はいつも私の部屋。


「もうそろそろかな?」

夕飯も綺麗に盛り付けた。
すぐに入れるようにお風呂の用意も万端。
あとは彼が来てくれるだけ……。

高鳴る胸に手をあて、一・二度大きく呼吸をする。

すると部屋に響くチャイムの音。

私は素早く玄関を開けた。
本当は飛びつきたいけど、そんな破廉恥な事できる訳もなく、待ち人を招き入れた。

「こんばんは、敦賀さん」

「こんばんは、キョーコ。
遅くなっちゃってごめんね?」

「お仕事お疲れ様です」

会えた事が嬉しくて、自然と顔が綻ぶ。

「先にご飯でいいですか?」

「うん、いつもありがとう」

既に並べられた食事を二人で囲み、和やかに過ごす。

そして、食後のコーヒーの後は甘い時間がやってくる。



「キョーコ……」

そう優しく耳元で囁いて、とろけるような口づけを与えられ
次第に深く、いつの間にか溶けるような感覚に酔わされる。
その唇が離される頃には私の息もあがり、首筋へと移動する口づけに甘い吐息が漏れた。
長くて綺麗な指とねっとりと蠢く舌が私を翻弄し、やがて激しい抽送になる。
押し寄せる快感に身を委ね、お互いが深いところで繋がったように……この時だけは感じる。

「ずっとキョーコとこうしていたい…」

お互いの温もりにまどろむ。
私は彼の腕の中で微笑んだ。

「私もです」

逞しい胸に頬をつけ、ギュッと私も抱き締める。


このままずっと一緒にいたい。
朝まで抱き合って一緒に眠りたい。


でも……
その願いは叶わない事を、私は知っている。


それに気が付いたのは、敦賀さんとのお付き合いが深くなったあたりから。


彼は必ず同じ時間に帰って行く。
決して泊まることは無い。


額に、左の頬に、右の頬、そして唇に、彼が優しくキスをした。

長いようで短い時間は無情にも終わる。

敦賀さんはベッドから出ると脱ぎ散らかした服を着て、また私にキスをした。

「キョーコ…好きだよ。
また連絡する」

「……はい」


今日も敦賀さんは、同じ時間に帰る。

まるでシンデレラのようだと思った。
硝子の靴を残してくれない…シンデレラ。

メルヘン思考の私でも、なんとなく気が付いていた。

同じ時間に帰る彼。

仕事だと言っていたけど……

待っている女性(ひと)がいるんだと思う。


たぶん……『奥さん』がいるんじゃないのかな……。


他にもなんだか怪しいな…と思う事がある。
彼は外に食べに行ったりデートする時、必ず深く帽子をかぶり眼鏡をかける。
なんとなく変装しているのだと思う。
仕事も詳しくは教えてくれないし。



本当に……彼に『奥さん』がいるなら

私は……



私は1人、温もりの残るベッドで痛む胸を押さえて、固く目を閉じ眠った。

web拍手 by FC2

2013.05.13 Mon l シンデレラ l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

なるほど!
蓮さんは会社員設定ではないのですね。

キョコさんはテレビとか見ないんでしょうね。
蓮さんは知られていないのをいいことに、会社員だと言ってるわけで。

嘘つきなシンデレラに愛されたキョコさんに、早く真実の愛が届きます様に。魔法使い(風鳥さん)の活躍を期待しています。((*´∀`))♪
2013.05.13 Mon l 魔人. URL l 編集
魔人 様
コメントありがとうございます♪
魔法使い!なるほど!
私は蓮さんいじめる設定を書く事が大好きですから、優しい魔法使いではないことだけは確かですね♪
これからリアルがかなり忙しくなるので、今週・来週は更新が難しい感じです(泣)

でも、妄想は休まないようにしないと!
2013.05.14 Tue l 風鳥. URL l 編集

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://kazetorinomawarimich.blog.fc2.com/tb.php/47-897e504b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。