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【契約】




「君がキョーコちゃん?」

キョーコは頷き、グッと唇を噛み締めた。

「カワイイねー。じゃあ早速行こうか」

キョーコは、少しお腹が出たサラリーマン風の中年男の後に黙ってついて行く。
着いた先は、派手な外観がいかにもなホテル。

その建物を見て、キョーコは少し怯んだ。
ここに入ればもう後戻りはできない。

「……早く、入りましょう」

前にいる男を、背中から促す。


今までの私、さようなら。


私は俯き、誰に言うでもない言葉が頭を過ぎた。


一歩一歩と進む2人。
派手な外観のその場所に入るべくドアが開かれようとした時、私は後ろから腕を掴まれた。

びっくりして、掴まれた方の手からバッグが落ちる。
振り返ると、そこにいたのは身長が見上げるほど高い美麗な顔立ちの…知らない男性。
私は声を出せず驚いていると、その男性の視線は私から前にいた中年男へと移る。

「俺の妹、どこに連れ込もうとしてんの?」

ギョッとした。
私に兄などいない。

『妹』という言葉に「チッ!」と舌打ちをし

「そいつが誘って来たんだよ!」

とだけ言うと、逃げるように去って行ってしまった。

あ…!

私はあっという間に見えなくなった後ろ姿を追おうとしたところで、掴まれていた腕に引き留められる。

「君さ…どう見ても高校生だよね?」

私の腕を離さずに語り掛けてきた男を睨む。

「どうしてくれるんです!逃げられちゃったじゃないですか!」

男の質問なんかに答えている暇はない。
またカモを探さなくては。

束縛されていた腕を乱暴に振り払い、落ちたバッグを拾うとパンパンと叩いた。

「……また、誰か探さなくちゃ…」

ぼそりと呟き歩き出そうとしたところで、また腕を掴まれた。

「……離して下さい」

「何でこんな事してるの?」

私は男を見上げ、クスリと笑った。

「……服が、欲しいんです」

「服…?」

眉間に皺を寄せる男の顔は、それでも美麗だ。

「助けなんて求めてません。余計な事しないで下さい」

「……金が欲しいのか…?」

「それ以外にこんな事する道理がありますか?」

掴まれた腕がより強い力を加えられる。

「……なら、俺が君を買ってやる」

そう言ったかと思うと急に歩き出し、腕を掴まれたままの私は引き摺られるようについて行った。




着いたのは高級そうなマンションの最上階。
ただ広いリビングに通されると、ソファに座るように促された。

「まずシャワーをお借りしたいんですけど」

ソファには座らず、そこにバッグを置く。
相手の男が変わっただけで、する事と受け取る物はどうせ一緒。

「いや、その必要はない」

男の返答に僅かに緊張する。

「じゃあ、寝室に行きましょう」

ゆっくりと男に近付く。

「その必要もない」



私は男を見上げた。

「俺は君を抱きたくて買ったわけじゃないんだ」

意味がわからず首を傾げる。
なら何のために私を買ったのか。

「そうだな、まだ晩ご飯食べてないし何か作ってくれたら…
さっきの男と同額、でどう?」

なんのつもりだろうか?
私を助けたつもりなのだろうか?

まあどんなつもりにせよ、お金が手に入るならどうでも良いのだ。

私は無言で頷き、キッチンに案内させた。



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2013.06.03 Mon l 契約 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

キョコさんの目的は本当に服?
いろいろ気になりますねw

続くのかしら。ウフフ。
2013.06.03 Mon l 魔人. URL l 編集
魔人 様
コメントありがとうございます♪
あまり長くはないですが続きますよ(*^_^*)

ボツネタなので今後の展開、期待しないで下さいね〜(泣)


2013.06.04 Tue l 風鳥. URL l 編集

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