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「君の今後、俺が買うよ」

今日初めて会った男は、事もあろうかおかしな契約を持ち掛けてきた。

「今後…ですか?」

「そう、今後。
毎日の予定なら、毎日。時々なら、時々。
それは君の自由でいい」

私は彼の言葉を黙って聞いた。

「俺と専属契約してくれるのなら、専属料も上乗せするよ」

「専属契約?」

「そう、俺以外と契約しない約束」

正直、この申し出は私にとっておいしい。
怪しいくらい……。


が、どんな事でもすると決めたのだ。

専属契約料も上乗せしてくれるというのなら、否やはない。

「わかりました。
でも…大丈夫ですか?
私、毎日…の予定ですが」

フワリと微笑む彼。

「心配いらないよ」

そんな彼の微笑みに思わず顔が熱くなる。

「名前…聞くのはルール違反?」

「いえ、最上…キョーコです」

「俺は蓮、敦賀蓮。
よろしくね、最上さん」



そうして私達の契約は成立した。


私は毎日、ここに通い始めた。

初めは流石に怪しんでいた私も、
本当に料理をして、一緒に食事をして、ゆっくりティータイムして、お金を貰い、送ってもらう、それの繰り返しだった。


まあね、あの容姿なら女性は選り取り見取りでしょうし…。
あえてわざわざお金を出してまで女を買う必要などないのだろうと思う。
しかも私のような貧相な身体の女なんて…。

私は食後のコーヒーを口に運び、彼をチラッと見ながら言葉を発した。

「敦賀さんは身体目的でもないのに、なんで私を買ったんですか?」

ちょうど料理とか作ってくれるような人が欲しかっただけなのではないだろうか?
だとしたらちゃんとした家政婦を雇えば、1日数万円の私と契約するよりはるかに安いはず。
敦賀さんにちゃんと進言してあげた方がいいんじゃないかしら…。

そう思っての問いかけだったのに……。

「……………。
最上さんがお望みなら、今からでも寝室に…連れて行こうか?」

話しかけに無表情になった彼が、急に夜の帝王の如く妖しく笑った。

「!!!!!!」

結構です!結構です!結構です!と叫びそうになるのをグッとこらえる。
そうだ…私は金で買われた女。

すると彼がクスクスと笑いだした。

も…もしかして……!

「からかったんですか?」

私は顔を赤くしながら声を荒げる。

「いや?からかってなんかいないよ?」

ニコニコと美貌の彼は言った。


プレイボーイ!

きっとそうやって世の女性を落としているのだろう。
冗談なのか本気の言葉なのかは知らないが、私の反応で遊んでいるのも確かだ。
親切心から家政婦を雇うという選択肢があることを教えようと思っていたけど、やめた!

プイッと顔を背け、コーヒーを飲み干した。



いつものように敦賀さんに送ってもらい帰って来た部屋。
シーンとするその部屋に1人、私は立ち尽くす。


「静か……。
あいつがいないと、こんなに静かな部屋になるなんて……。
淋しいよ……早く、帰って来てよ……」


とめどなく流れる涙をぬぐう事もせず、私は膝をかかえながら声を出さずに泣いた。







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2013.06.13 Thu l 契約 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

キョーコさん。
まだショーのこと諦めていないのですね?

お金もショーの為なのでしょうか。
((((°Д°;))))
2013.06.13 Thu l 魔人. URL l 編集
魔人 様
コメントありがとうございます♪
次回に『あいつ』の登場予定です。

そろそろラストスパートなんですが、今後の展開が王道過ぎるので……
やっぱり結構前のボツネタは……難しいです(泣)
2013.06.13 Thu l 風鳥. URL l 編集

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