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前回の分で締めようと思っておりましたが、「続きを!!」と言って下さる方がいらっしゃったので……
これからのお話を何にも考えてませんが、前回の『空の青』を『空の青 1』にさせていただきました。





【空の青 2】





「先程はありがとうございました」

まだ狭い車内の中、他の人に聞こえないような小さな声で彼にお礼した。

そして、さりげなく俯く。
気持ち悪い……。
痴漢なんて初めてだけど、本当に声が出なかった。
痴漢なんてクズ人間、その手を掴んで絶対強気で警察にでも突き出してやりたいと思っていた。
まあその前に、平凡かつ貧相な身体の私が痴漢なんて遭うはずないと思っていたけど。

降りる駅に着くが、乗り物酔いのような気持ち悪さがなかなか抜けない。
ふらつきながらも駅に降りようとした時、彼が私の手首を引いた。

「ここで降りるんだろ?」

そう言って、ホームへと歩き出した。

軽快なメロディが止み、さっきまで乗っていた電車が動き出す。
私は彼に引かれてエスカレーターに乗り、改札に向かった。

「大丈夫?」

駅を出た所で声を掛けられた。

そういえば、彼は朝いつも私より先に乗っている。
まだ降りる駅ではないはず…。

「はい、大丈夫です。すみません、まだ降りる駅じゃないですよね?
私のせいで…ご迷惑をお掛けしました」

丁寧にお辞儀をした。

「そんな事、気にしなくて平気だよ。
もしよかったら、このまま家まで送るよ」

「いえいえ!そこまでして貰うわけには!
私は本当に大丈夫ですから、今日は本当にありがとうございました」

もう一度ペコッとお辞儀をして、私は足早にその場を後にした。

助けて貰ったのに失礼だとは思ったが、もうこれ以上は私の心臓がもたない!

掴まれた手首を握りしめ、私は逃げるようにしてそのまま走った。



お風呂に浸かり、フーっと息を漏らす。

今日は最悪の一日だと思っていたが、同時に最高の日になった。
我ながら、げんきんだ。

あの人に助けてもらっちゃった。
名前くらい聞けばよかったかな…。
帰りも一緒になったの初めてかも。
そういえば、彼…すごくいい香りがした……

間近で見た彼の顔とか、私に向かって放たれた心地良い声とか、
とにかく夢のような出来事に思考はフワフワするばかり。

その日は布団に入ってもなかなか寝付くことができなかった。



次の日も、いつもの時間のいつもの車両。
いつもの風景の中に、彼はいた。

近くのドアから入ると彼が気付き、ゆっくり近づく。

「やあ、おはよう。
昨日は大丈夫だった?」

高鳴る鼓動は加速するばかりで、彼を直視できない。

「お…はようございます…。昨日は本当にありがとうございました」

そう言って彼を見上げれば、神々しいまでの笑顔だ。

ま…眩し過ぎる…朝日よりもまばゆいわ……。

「君、いつもこの時間に乗ってるよね?
……その制服、LME学園?」

「はい、あの…そちらは、ヒズリ高校ですよね?」

「うん。敦賀蓮だよ」

「え?」

「俺の名前。君は?」

「最上…キョーコです」

揺れる車内と煌めく時間。
降って湧いたこの幸運に、私は熱く胸が震えた。




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2013.07.22 Mon l 空の青 l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

甘酸っぱいですね。
青春ですね!

蓮くん、なんだか嬉しそう?((*´∀`))♪
これからしょっちゅう話しかけて来たりするんでしょうかね。

続きも楽しみにしてます!
2013.07.22 Mon l 魔人sei. URL l 編集
わーい!!
続き読めて嬉しいです!!
これは続きいるでしょー!!とUPされた時に思ったのですが、時間がなくてコメント出来ず…でも、次に開いた時には皆さんの続き要請コメントが沢山あったので安心して心待ちにしてました((*´∀`*))

前回ので、ここから蓮様の痴漢行為が始まるギャグ路線なのか、王道路線なのかと色々妄想脳を擽られました!
王道青春まっしぐら路線ですね♪
今後の更新も楽しみにしてます〜♪
2013.07.23 Tue l 風月. URL l 編集
魔人 様
コメントありがとうございます♪

青春時代をすっかり忘れたわたしくめには、こういう王道がなんて難しいんだ…!と悶絶しております。
そして、次回のお話を考えていると…やっぱりね!な方向に…なりそうな予感です。
ピュアな気持ちってどんなでしたっけ?
2013.07.23 Tue l 風鳥. URL l 編集
風月 様
コメントありがとうございます♪

実はその二択、すっごく悩みました〜。
私のやさぐれ脳は、蓮さんがそちらの行為にばかり走るので…たまには青春王道なお話を書きたかったのですが。
向かおうとすればするほど、なんて難しいんだ…と。
今後の展開…ピュアな2人を書ける気がしないです…(泣)

2013.07.23 Tue l 風鳥. URL l 編集

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