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こちらは『皆様、詐欺にはご注意を!』の続編です。
先にこちらをご覧になってからをお勧めします。

時間を見い出しながらだったので、本当に駄文なSSです。

【カモられる娘にもご注意を!】


このところ見掛ける最上さんはやけに怒っていたり、肩を落とし落ち込んでいたりと、何だかおかしい。

何かあったのだろうか……。

そう思い、彼女にそれとなく聞いてみるが
「何もないですよ?」の一言でバッサリと切られてしまう。


彼女の支えになりたい。

頼れる存在になりたい。

彼女の唯一の、存在になりたい。


俺は、彼女に告白する事を決めた。




珍しく早い時間に仕事が終わった俺は、告白すべく事務所の駐車場で最上さんが終わるのを待っていた。

今日、「ケータイ番号が変わった」と最上さん本人から連絡があったばかりだ。
この業界にいると、ケータイ番号を変えなくてはいけなくなる事は間々ある。
かくいう俺も、某マネージャーの『手』によってやむなく替えるはめになる事は多い。
だから、彼女のここ最近の様子から、ケータイ番号を変えなければいけないような事があったのだろうということは、なんとなくわかっていた。
その事を彼女から聞き出そうとしても、彼女は言ってはくれないんだろう…な。
俺は心の中で一つ溜め息を溢す。

そこへ、件(くだん)の彼女が肩を落としながら歩く姿が視界に入る。

「やあ、最上さん」

「敦賀さん!お疲れ様です。これから移動ですか?」

「いや、今日はもう終わりなんだ。
ちょうど君も終わりなら、これから食事でもどうかな」

「珍しいですね、敦賀さんがこんなに早い時間であがりなんて。
私なんかと食事より、たまにはゆっくりなさった方がいいんじゃないですか?」

『彼氏』の立場ならばそんな事は言われないのだろうと思うと、少し悲しく感じてしまう。
だから敢えて食事を疎かにするような事を言った。
そうすれば、彼女が食い付いてくる事はわかっていたから。

向かった先は、予約しておいた某ホテルの最上階レストラン。
キラキラと輝く星屑のような夜景が眼下に広がっているその場所で。
できるだけ彼女の理想の告白シーンを再現できるよう気を配る。

目の前の彼女は出されたものを、ニコニコと美味しそうに頬張っていた。
そんな姿がリスのように見えて、胸から込み上げてくる熱い想いが溢れ出しそうになる。


ずっと、彼女が美味しそうに食べている姿を見ていたい。

これからもずっと、彼女と一緒に過ごしていきたい。


「君は本当に可愛いね」

顔を上げる君。

「今日、本当言うと君を待っていたんだ。どうしても君と過ごしたくて。
このままずっと一緒にいたい」

無言の彼女に更に言った。

「君が好きだよ」


暫し広がる沈黙。

そして口を開いた彼女から出た言葉は、「YES」でも「NO」でもなく……
予想を遥かに超えた言葉だった。


「……………………もうイヤ」

「え?最上さん?」

「私…わりと善良に、堅実に生きているんです。
これ以上……騙されたくない…!」

「…騙される?…これ以上?」

「詐欺なんて…もう、まっぴら御免です!」

そう言って、彼女は全力疾走で逃げって行ってしまった。


騙される?詐欺?

何の事だ?

残された俺は、文字通りポカンな状態だ。

告白自体を真っ向否定…は正直予想していた。「冗談ですよね」とか「何処にカメラがあるんですか!」とか。
だが……詐欺師扱いされるとは。


後日、俺は逃げ回る最上さんを某テレビ局の階段踊り場に呼び出した。

「先日の告白、あれは本心なんだけど」

「わ…私は、もう騙されません!」

「心外だな。この間の告白は君を騙してないし、本当に君が好きだよ」

「詐欺師って、顔が良くて 優しくて 口が上手いんですよ!
もう私は引っ掛かりません」

「………どうしたら信じてくれる?」

腕を組み、壁に寄り掛かる。

「証人がいれば、信じる?」

「証人?」

ゆっくりと最上さんに近付く。

「そう、証人」

最上さんを壁に追い込み、逃げ道を塞ぐ。

「君が好きだ」

「だから…私はもう、騙され」

「そこ」

俺は彼女の言葉を遮り、ここ踊り場から見える階段下の正面にある植木を指差した。

「………?」

「カメラがある」

「ーーーー‼︎」

「どのくらいの人に見てもらえば、信じてくれる?」

「え?」

「君が決めていいよ。一人?十人?百人?
それとも………」

両腕の檻の中の彼女は、わなわなと震えている。

「どうせなら…全国ネットで、放映してもらおうか?」

「…な、何をおっしゃって…」

涙目で俺を見上げる最上さんをギュッと抱きしめ、耳元で囁いた。


「世界中の人にこの気持ちが嘘じゃないと誓うよ。

君が好きだ」



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2013.10.09 Wed l 短編 l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

ヘタれていないね。
ここのお宅の蓮様。
正面から強行突破狙っている蓮様かっこ良いですね。蓮様 ヘタ蓮 って代名詞 どこのお宅でも目にしていますが、カッコが良い蓮様素敵です。
2013.10.09 Wed l 美音. URL l 編集
おお!正面突破!
翌日には捕まえて、まっすぐに攻め落とせたのですね!!

このあと、詐欺の話聞いたら、蓮さん心配になりすぎて、大変なことになりそうですけど。

とりあえずは、恋の成就でハッピーエンドですね!!
2013.10.09 Wed l 魔人sei. URL l 編集
美音様
コメントありがとうございます♪

我がブログは蓮さんが苦労する事が俄然多いので、今回は頑張ってもらいました。
少しも練らずにそのままUPしてしまいましたが、そんなふうに言って頂けて嬉しいです!
2013.10.10 Thu l 風鳥. URL l 編集
魔人様
コメントありがとうございます♪

きっとこの後の詐欺の経緯を聞いて、敦賀邸に強制捕縛され軟禁状態に陥るのは明らかかと…。
脅してもハッピーエンドに無事になって良かったです。
2013.10.10 Thu l 風鳥. URL l 編集

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