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クオンさん編の続きです。
どんなクオンさんでもOK!な方のみ、続きをどうぞ。









始めの告白した時からなんとなくそんな気はしてたんだ。

付き合い出したその日、食事に誘い、当たり前のように『彼女』と手を繋いだ時…確信した。

最上さんは″処女″だと。

明らかに慣れていない様子に、俺は気付かれないように小さく息を吐いた。

これは…俺が一から快楽を教え込んでしまえば……
3ヶ月くらいなら簡単なんじゃないのか?

だが、そんな邪まな考えは、手を繋ぎながら見せた彼女の微笑みに打ち消される。

………か、可愛い。

柄にもなくそんな事でドクンと跳ねた心臓に、自分自身がビックリした。



女の子なんて、誰も一緒だと思っていた。

熱い視線と決まりきった告白。
そして、妖艶にまたは可憐に俺を誘惑し快楽を貪る。
俺の時間と言葉、その他何でも思い通りにさせたがる。
俺なりに極力優しく応えているはずなのに、あっさりと別れの言葉を口にする。

まあ、快楽は嫌いじゃないが…

本当に、オンナという生き物は皆一緒だな、と……この時までは思っていた。



最上さんは大好きだと言うハンバーグを食べる時、本当に美味しそうに頬張る。
口の端にソースがべったりと付いてもお構いなしだ。
今までの『彼女』は俺の前では大きな口など開けなかったし、「何が食べたい?」って問いにそんなお安い所など提案しなかった。
ただのありがちな悲恋物語に、ボロボロと涙など流さなかった。
化粧が落ちるのを気にして、ゴシゴシと拭いたりなどしなかった。
俺の部屋に来て、そのての雰囲気を醸し出さなかった『彼女』は初めてだ。
俺の食生活に本気で怒った『彼女』も初めてだった。
夜景に言葉を失う程、瞳を輝かせたりなどしなかった。

何よりも…全てを知っていて、俺が賭けに勝てるように
『俺の為に』何かをしてくれようとしたオンナなんていなかった。


不思議なことに、美味しそうに食べる最上さんと一緒だと、苦だとさえ感じていた食事が楽しいと思えた。
手を繋いだだけで顔を赤くする彼女が可愛らしくて、会えば必ず手を繋いだ。
繋いだ手の小ささと柔らかさに頬が緩み、温かさが嬉しかった。
どこに連れて行っても素直に喜んでくれるから、もっと色々な所に連れて行きたいと思った。
俺の話に興味を持って聞いてくれたり、彼女の何気ない話を聞くのは楽しかった。


俺はいつの間にか……『賭け』の事も忘れていた。


初めて最上さんを部屋に呼んだ日、俺は不埒な行いをしようと思っていた。
でも、彼女がDVD観てポロポロと流す涙があまりにも綺麗で…
その姿に、守ってあげたいと心から思った。

ああ、彼女はこの上なく純粋だ…
俺なんかが軽々しく穢してはいけない……

そう思うのと同時に、赤く色付いた美味しそうな唇がどうしても欲しくなった。
そう思った時には頤を掬い、彼女の柔らかなそれを奪っていた。

ただ触れるだけの口付けだというのに、それはとても甘美で。
他の誰とも味わえなかった極上の感覚だった。


彼女は…最上さんは、今までの『彼女』の全てを覆す程の喜びと、胸の高鳴りと、甘さを俺に教えてくれた。

別れを切り出される事など欠片も考えずに、ずっと先の約束をついしてしまう程ずっと一緒にいたいと思っていたんだ。


「どうしても行ってみたいんです」と言った夢の国。
最上さんがそんなふうに意思を主張して、初めてお願いしてくれた事がたまらなく嬉しかった。

もともと最上さんと付き合うことになったのは『賭け』。
そんな事も忘れて浮かれていた俺に…

あの日、とうとう天罰がくだった。


「ヒズリさん、今日で3ヶ月です。
賭けは貴方の勝ちですよ」

そう、俺を真っ直ぐ見て言った彼女。

それは、雷に打たれたような衝撃だった。

何故知っているんだ?
いつから知っていた?

そんな言葉ばかりが脳内を循環する。

「知ってました。
私は3万円の価値、ありましたか?」

何か言わなければいけないと思うのに…声にならない。

「今まで、ありがとうございました」

彼女らしい丁寧なお辞儀をし、微笑んだ。
そして、くるりと背を向けて歩き出した。

追い掛けないと…!
最上さんが俺の元から去ってしまう!

そうは思うが、足が動かない。
追い掛けて、何と言うんだ?

「違うんだ」?
違わない。『賭け』で付き合いだしたんだ。

思い浮かぶ言葉はどれもこれも安易で陳腐だ。
その言葉の後に続く彼女の言葉が予想できる。


俺は彼女が視界から消えてもなお、動く事ができなかった。


次の日には彼女のケータイにかけても、無機質な『番号は使われていない』旨のガイダンスが流れるようになっていた。




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2013.12.17 Tue l Ставка l コメント (8) トラックバック (0) l top

コメント

うぉう!!
クオンさんっ!!そこまで好きになっていながら…くぅっ!!

おいかけられなかったのですかぁっ!!
やぁー!本当に先が読めなくてワクワクしますっ!!


そして先ほどコメントの返事読みましたー!!
使って頂けるなんて嬉しいですっ!!是非っ!!是非お願いしますー!!とこちらからお願いしちゃいます(笑)
2013.12.17 Tue l 風月. URL l 編集
初めてコメントします。
読んでて切なくなりました!!!
きょこさん会社辞めちゃったりしませんよね??

続きが気になります!!
2013.12.17 Tue l ぽこにゃん. URL l 編集
No title
こういうお話ツボです!
クオンの不覚にも恋に落ちてしまった感がステキ♪
ドキドキしながら続き待ってます。
2013.12.17 Tue l たまご. URL l 編集
ぐふふふ。
直ぐ様、違うんだで抱きしめて解決より、クオン氏には後悔して、ちゃんとキョーコさんに向き合ってもらわないと!ですね。

傷つけた代償。

ちゃんと払いきれるでしょうか!

次回名誉挽回編?縋り付き捨てないで懇願??
とにかくラストも楽しみにしてます!
2013.12.18 Wed l 魔人sei. URL l 編集
風月様
コメントありがとうございます♪

ワクワクして頂けてるなんて、本当に嬉しいですー!
クオンさんでもやっぱりそんな所ばっかりヘタれてしまうんですよね…。

もう一つの物語、快いお返事ありがとうございますー♪
なにしろ遅筆なので、少々お待ちください。
2013.12.18 Wed l 風鳥. URL l 編集
ぽこにゃん様
初コメントありがとうございます♪
そして、いらっしゃいませ♪

今回はギャグに走らないように注意しているので、そう思って頂けたのなら本当に良かったです!
キョコさんの言動は本誌も私の中でも予想の斜め上をいくところが凄いですよね。

次回が最終話になるので、どうぞお付き合い下さい。
2013.12.18 Wed l 風鳥. URL l 編集
たまご様
コメントありがとうございます♪

フフフ、これからラストのハピエンに向けて恋に落ちたクオンさんがどう動くか…ですね。
もう少しお付き合いお願いします♪
2013.12.18 Wed l 風鳥. URL l 編集
魔人様
コメントありがとうございます♪

そうですよね!そのままあっさり解決よりはしっかり反省してもらわないと…ねw
スマートに名誉挽回する蓮さん(クオンさん)も、縋り付き捨てないで懇願な蓮さん(クオンさん)もどちらも好きです!

いつもコメント本当にありがとうございます♪
2013.12.18 Wed l 風鳥. URL l 編集

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